カギとなる自律神経
自律神経は、「交感神経(アクセル)」と「副交感神経(ブレーキ)」がシーソーのようにバランスをとることで生命を維持しています。交感神経が優位になるとバトルモード、副交感神経が優位になると休息モードというように、身体は環境に合わせてモードを切り替えています。
しかし、「交感神経」と「副交感神経」という二元論では説明できないケース(ストレスへの「凍りつき反応」など)が、近年増えてきているといいます。本書でページを割いて紹介されているのが、新しい自律神経理論です。ちょっと複雑な話になりますが、ポイントをかいつまんで紹介します。
新しい自律神経理論では、「副交感神経」は「腹側迷走(ふくそくめいそう)神経」と「背側迷走(はいそくめいそう)神経」の2つに分かれる、とされています。つまり、自律神経のモードには「交感神経」「副交感神経(腹側迷走神経)」「副交感神経(背側迷走神経)」の3段階があるというのです。
■炎のモード
アッパー系。怒り、パニック
交感神経優位の状態/過覚醒/危機に対して闘う、または逃げるで反応
切羽詰まった表情、険しい声、注意力過剰 など
■リラックスモード
腹側迷走神経優位の状態/最適覚醒/癒やしとつながりを確保
穏やかで余裕のある表情、柔らかい声 など
■氷のモード
ダウナー系。フリーズ
背側迷走神経優位の状態/低覚醒/省エネで自分を守る
ボーっとした表情、平板な声、注意力低下(放心状態) など
ストレス反応には「炎のモード」と「氷のモード」の2通りがあり、どちらかに行ったまま戻れなくなったとき、そこから抜け出すには「腹側迷走神経」を刺激すること。この「腹側迷走神経」が優位になると、「安全・安心」を感じられるといいます。
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。