「あの人、困ってる?」と気がついたのに、「おせっかいかも」と考えて、声をかけられなかったことはありませんか。実際、なかなか勇気がいりますよね。ただ、そこで気がつかないふりをすると、何も気がついていないのと同じことになってしまいます。
謙虚な人、内向的な人、繊細な人、人を思いやれる人。そんな気づかいの素質がある人のための、周りからの印象が180度変わる「気くばり」の戦略書があります。企業研修講師・川原礼子さんの『気づかいの壁 「気がつくだけの人」を「気が利く人」に変える、たった1つの考え方』(ダイヤモンド社)です。
気づかいには「2つの壁」と「5つのコツ」があり、「気づかいの差」が「人生の差」を生むといいます。さりげないのに心に残る、ちょうどいい気づかいのヒントを、東京バーゲンマニア読者の皆さんにご紹介します。
気づかいは自分軸でいい
気づかいの前には、越えたほうがいい「自分の心の壁」と、越えないほうがいい「相手の心の壁」があるといいます。
「気がつく」と「行動する」の間には、距離がありますよね。「あれ?」と気がついても、「余計なお世話かも」と心にブレーキがかかり、結局何もしない。これが「自分の心の壁」を越えたいのに越えられない状態です。
一方、むやみに越えてはならない「相手の心の壁」もあります。たとえば、アドバイスをする場面。よかれと思ってついやりすぎてしまうものですが、「相手の領域に踏み入らない」「引き際を知る」ということも必要だといいます。
さじ加減が難しいですよね。ここで押さえておきたいのが、「自分がされて嬉しかった経験があるかどうか」という「気づかいの軸」。これまでの人生で受けとってきた気づかいを思い起こし、その中から自分が嬉しかったことをすればいいのです。
とはいえ、感じ方は人それぞれ。相手の反応が気になります。ここで、アドラー心理学の「課題の分離」という考え方が紹介されています。自分がされて嬉しいことをするのは「自分の課題」、されたことをどう思うかは「相手の課題」――。相手がどう受けとろうとも、そこはスパッと割り切ればいいのです。
結果的には、あなたがした行為が、相手には「おせっかい」「不要」と映ったとしても、それは「経験」という成長機会を、1つ収穫しただけなのです。
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。