2024/4/ 2

あなたの不安は、脳の"勘違い"...メンタルに効く「発想の転換」方法って?

イライラ、ドキドキ、モヤモヤ......。感情は自分の意思とは関係なく湧いてきて、私たちを幸せにもするし、どん底につき落としもします。そのたびに振り回されるわけですが、メンタルがいつも安定している人なんていませんよね。実際、現代人のメンタルは「史上最悪」で、あらゆる世代がうつや不安、孤独に蝕まれているそうです。

メンタル不調の予防法・対処法にもいろいろありますが、ここでは「脳の機能」と「脳はなぜそのように機能するのか」に焦点を当てた「心の取説(とりせつ)」をご紹介します。スウェーデンの精神科医であるアンデシュ・ハンセンさんの『メンタル脳』(新潮社)です。「へぇ」「なるほど」の連続で、ページをめくる手が止まりませんでした。脳内で何が起こっているのかを知り、ネガティブな感情すら興味深く思えてくる一冊です。

脳は勘ちがいしている

脳内では1日に数百種類の感情が生まれているそうです。幸福だけならいいのですが、それは土台無理な話。もしハッピーで明るい感情しかなかったら、人類はとっくの昔に絶滅していたといいます。一体どういうことなのでしょうか。

脳には他の何よりも重要な任務があり、それは「あなたを生かしておくこと」です。(中略)脳はどんな犠牲を払ってでも、とにかくあなたに生きのびてほしい――そこで感情が重要になってきます。なぜなら脳にとって、感情こそがその人のメンタルを左右し、行動に移させるための手段だからです。

ここで面白いことが書かれています。脳は現代とまったく異なる世界で進化してきたため、今でも「昔のままの世界にいる」「サバンナで狩猟採集民として暮らしている」と勘ちがいしているというのです。

感染症、出血多量、事故、飢え、脱水症状、殺人......。狩猟採集民の世界では、2人に1人が10代になる前に死に、大人になっても危険は続きました。人間の歴史のじつに99.9%の時間がそうだったため、脳は危険に強く反応するように進化してきたのです。

たとえば、崖のふちに近づいたら「怖い」と思い、不安になって足がすくみます。これも、脳が生きのびるために正しい選択をさせようとしているから。元をたどれば、私たち全員が狩猟採集民。脳は危険を遠ざけようと、恐怖や不安の感情を使っているのです。

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

[続き]警告を発するのが好きな部位
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