"近代演劇の父"と称されるノルウェーの国民的作家イプセンの『幽霊』が、今年の読売演劇大賞を受賞した注目の演出家、森新太郎の演出にて上演されます。
日本演劇界を活気づける賞
世界的な演劇賞といえば、毎年2月にロンドンで行われるローレンス・オリヴィエ賞と6月にニューヨークで行われるトニー賞授賞式があります。特にトニー賞は演劇界で最も権威のある賞です。
日本では1966年に紀伊國屋書店が創設した「紀伊國屋演劇賞」や1975年に東宝が創設した「菊田一夫演劇賞」、1996年に読売新聞社が創設した「読売演劇大賞」などがありますが、いずれもトニー賞のような権威を持つ賞となってはいません。
ただ、「読売演劇大賞」は歴史が浅いものの、幅広い視点で受賞作品を選定していたり、各部門の最優秀賞の中から大賞を1点選んでいたりとユニークなところがあります。大賞には作品やキャストが選ばれることもありますが、スタッフが受賞する年もあり、演劇界全体を活気づけています。年を重ねていくことによって、日本を代表する演劇賞に成長しトニー賞ようになるかもしれません。
今年の読売演劇大賞及び最優秀演出賞を受賞したのは、森新太郎。劇団昴「汚れた手」、新国立劇場「エドワード2世」の演出に対して贈られ、演劇界の注目を一気に集めました。その森新太郎の最新作がイプセンの「幽霊」の演出です。
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