出雲あきらの演劇Life
トニー賞授賞式に22回出席している唯一の日本人、出雲あきら氏が今注目のお芝居を紹介。演劇評論家でありながら現役広告マンでもある出雲氏独自の視点で、ビギナーさんにもぴったりな1本を紹介します。
2020/2/17

スタジオライフの最高傑作 『死の泉』12年ぶりに再演決定!

この連載で何度か紹介してきた劇団「スタジオライフ」。男優が女性役も演じるという独特の手法をとり、耽美な世界観と美しく繊細な舞台演出で確固たる人気を誇る劇団が12年の時を経てその最高傑作といわれる『死の泉』を再び手掛けます。

時は第二次世界大戦、ナチス支配下のドイツ南部が舞台の幻想的で耽美的なミステリーです。

スタジオライフはこれまでナチスドイツを扱った作品をいくつも上演してきました。『パサジェルカ』(原作:ゾフィア・ポスムイシ/2004年初演)、『アドルフに告ぐ』(原作:手塚治虫/2007年初演)、『エッグスタンド』(原作:萩尾望都/2017年初演)などの一連の上演作品はいずれも好評を博していますが、1999年に初演が行われた本作はその原点といえます。

何度かの再演と、同テーマを扱った他作品の上演を経たいま、スタジオライフは原点にして最高傑作、いわば到達点を見せてくれることでしょう。

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