2012年に花組芝居の俳優・堀越涼が旗揚げした演劇ユニット「あやめ十八番」。公演を重ねるごとに評判を呼び、2016年に上演された『ゲイシャパラソル』は、全ステージ完売となり、当日券を求める人たちが連日劇場に押し寄せるほどでした。公演終了後も再演を求める声が多く寄せられ、今回、満を持しての再演が決定しました。
「和」の要素にこだわる作品作り
堀越が自らの創作スタイルを「現代の古典演劇」と称しているように、その作品作りは歌舞伎、能、人形浄瑠璃など、さまざまな日本の古典芸能のエッセンスを劇中に散りばめて現代劇の中に昇華すること、そして現代人の感覚で古典芸能を再構築することの両面から行われています。その上で、すべての作品において日本人特有の感覚や美意識をテーマとしています。
現代と古典の融合だけでなく、その演出は時に和洋折衷の世界観を描き出すこともあります。また、歌舞伎の下座音楽や落語のお囃子の影響のもと、劇中音楽がすべて生演奏で行われるのも見どころのひとつです。
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