ブタ派になりそうなマイピッグカフェ【辛酸なめ子の東京アラカルト#28】
無邪気なブタさんたちにまみれるアニマルヒーリング
時間が来たので2階へ。他の動物カフェに比べると無臭で、さすがきれい好きなブタさんです。入って足を伸ばして座っていたら、さっそく2匹ブタさんがやってきて、脚の上に乗ってくださいました。

膝に乗られると顔が見えなくなってしまうのが何ですが、ぬくもりは感じられます。いきなり2匹も......。
母ブタと思われたのでしょうか? ブタに近いベージュの服が功を奏したのでしょうか?「ブピブピ」などとしゃべるブタさんをなでていたら、毛は硬めでしたが、体温と重量感は猫に近いです。鼻を押し付けてきて、湿った柔らかさを堪能。

この子はよく乗ってきてくれましたが、生まれて5~6か月でまだあまり人に慣れていない子も。膝に乗ろうとして後ずさりする姿もかわいかったです
でもお客さんやお店の人が入ってくると、ブタさんはそっちに行ってしまいました。動物カフェあるあるですが、結局お店の人に一番なついています。
お店の人は時々おやつを手にブタさんを操り、各テーブルに連れてきてくれました。その時ブタさんの気が乗れば膝に乗ってくれるサービスが。また掘りたい習性があるのかクッションの下に鼻を突っ込んで押し上げているブタさんもいて、見ていて飽きません。

クッションの下に鼻を突っ込むブタさん。いつも全力です
「ギュピー!」「ブエ~!」と、唐突に叫ぶブタさんも。ブタがこんなによくしゃべるとは知りませんでした。「ブヒブヒ」「プピー」「ギュエ~」など鳴き声のバリエーションも多いです。抱っこが苦手なのでお店の人が抱き上げて運んだら「ギュピピピ!」と激しく叫んだり。このカフェに通えばブタ語がわかるようになるかもしれません。

ブタ同士鳴き声で会話しているようでした。今日の客について噂しているのかもしれません
ちなみに生脚にひづめで乗られるとちょっと痛かったです。ただそれもブタさんのかわいさで帳消しに。30分は本当にあっという間でしたが、マイクロブタのかわいさは十分堪能できました。しばらく食生活に影響を及ぼしそうです。最後、帰る時に近寄ってきて挨拶してくれたブタさんも。犬でも猫でもない距離感と、つかず離れずの甘えぶりにハマりそうです。ブタから学べるモテテクもあるかもしれません。

かわいいという言葉しか出てこないです。30分800円+ワンドリンク制ですが、ドリンクどころではありません
1974年、千代田区生まれ、埼玉育ち。漫画家・コラムニスト。著書に、『消費セラピー』(集英社文庫)、『女子校育ち』(ちくまプリマー新書)、『女子の国はいつも内戦』(河出書房新社)、『なめ単』(朝日新聞出版)、『妙齢美容修業』(講談社文庫)、『諸行無常のワイドショー』(ぶんか社)、『絶対霊度』(学研)などがある。
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。