「6月」は胃の変化に注意が必要な季節なのかもしれません。不安定な天候や気温の上昇だけでなく、最近は「6月病」と呼ばれる、環境の変化による心身の不調のひとつとして、「胃弱」(胃の不調)を感じる人が少なくないそうです。
そんなとき、食生活ではどんなことに気をつけるべきなのでしょうか。東京バーゲンマニア編集部は、東京・池袋にある消化器科・内科のクリニック「あんこうメディカルクリニック」の安康晴博院長に、摂取すべき栄養素、そしてその栄養素が摂取できる食品を聞いてきました。
キーワードは「発酵食品」「食物繊維」「オリゴ糖」
安康晴博先生
4月に新生活がスタートし、慣れない環境によるストレスで「胃が痛い」「胃が重い」といった胃の不調が6月ごろに起こる人がいるそうです。胃の内視鏡検査を行っても異常が認められないのに生じる、こうした上腹部の不快な症状はまとめて「機能性ディスペプシア(FD)」と呼ばれています。
安康先生によると、最近はFD患者が増えているそう。
日常生活で気を付けることとしては、特に早寝・早起き、そして「いい便」(適度な柔らかさのソーセージ状の便)を出すこと。この「いい便」を出すための食事として、「発酵食品」「食物繊維」「オリゴ糖」の3つのキーワードが重要だと教えてくれました。
では、この3つキーワードに当てはまる食べ物は具体的にどんなものがあるのでしょうか。その一例を紹介します。
納豆
「発酵食品」「食物繊維」「オリゴ糖」、3つの要素をすべて満たしている食品です。そのまま食べるのはもちろんですが、食物繊維が豊富なキクラゲをフードプロセッサーでみじん切りにして入れて食べるのも◎。
ヨーグルト
納豆と同じく、発酵食品の代表といえるヨーグルト。ヨーグルトといえば、乳酸菌など、各メーカーが菌に着目して特長を出していますが、中でも注目は「LG21乳酸菌」です。12週間摂取し続けたことで、FD症状が緩和されたとの研究報告も出ています。
全粒粉のパン
「全粒粉」(小麦まるごとを粉状にしたもの)は食物繊維が豊富なのだそう。最近はコンビニなどでも全粒粉のパン商品は見かけますよね。ちなみに、ごはんなら白米よりは食物繊維が豊富な玄米、五穀米、十六穀米のほうがよいそうです。
今回紹介した食品は、いずれもコンビニやスーパーで手軽に購入でき、ほぼ調理なしで食べられるものです。参考にしてみて。
なお、胃に痛みを感じる際、FDではなくピロリ菌による炎症の場合もあります。自己判断はできないので、病院でお医者さんに診てもらいましょう。
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。