出雲あきらの演劇Life
トニー賞授賞式に22回出席している唯一の日本人、出雲あきら氏が今注目のお芝居を紹介。演劇評論家でありながら現役広告マンでもある出雲氏独自の視点で、ビギナーさんにもぴったりな1本を紹介します。
2014/2/19

【第6回】井上ひさしの最高傑作にして最高峰の一人芝居『化粧』 新演出版で3月再上演へ

井上ひさしが亡くなって間もなく4年が経とうとしていますが、井上作品の上演は続き、その人気は衰えることを知りません。井上は生涯で70近い戯曲を書き下ろしましたが、傑作といわれる作品は1つや2つではありません。一番好きな作品は何? と聞けば10人が10人、別の作品の名前をあげるに違いありません。私の最も好きな井上作品は『化粧』です。これは日本の戯曲の最高峰だと思っています。その『化粧』がこの春、小劇場演劇のメッカといえる紀伊國屋ホールの開場50周年記念作品として再び上演されることになりました。

海外でも評価の高い傑作

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『化粧』は、1982年に木村光一演出、渡辺美佐子主演で初演され、28年の間に海外も含めて600回を超える上演回数を記録した傑作です。

井上ひさしが亡くなった翌年の2011年、長年にわたり上演されてきた垢を落とすために、初演版の脚本にもう一度立ち返った新しい『化粧』が上演されました。鵜山仁の演出と文学座の看板女優・平淑恵の出演による新演出版は、初演版を超える評価と、連日大入り満員を記録しました。

そして今年、この新演出版『化粧』が再び上演されることになりました。

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

[続き]大衆演劇の女座長が見たのは現実かそれとも夢か?
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