茶葉のブレンド技術がスゴい...
「綾鷹」の味わいのカギは "合組(ごうぐみ)"と呼ばれる、茶葉を組み合わせる技術にあります。
茶葉の個性を見極め、ブレンドしながら新しい魅力あるお茶を生み出していく作業です。
今回はこの合組を、第十五代上林春松氏にレクチャーを受けながら体験してきました。
今回は5つの茶葉をブレンドしてひとつの味わいを作っていきます。
茶葉の色や形の違いを見極める作業を「拝見(はいけん)」といいます。
本来は、光の量を安定して調整できる黒い壁に囲まれた「拝見場(はいけんば)」という特別な場所で行う作業です。
まず茶葉を手に取り、息を吹きかけたり香りをかいだりして茶葉を知る作業から始めます。
手に取ると、想像以上に質感や香りに差があることに驚きます。
その後お湯を注いでお茶を淹れ、口に含んで風味をひとつひとつ確かめていきます。
色も濃さもまったく異なるだけでなく、これまたお茶の味わいや風味も実に様々です。
ブレンドした後の仕上がりを想像するのも一苦労......。
万人受けするお茶を目指して作ろうと励んだ記者ですが、出来上がったお茶は想像よりもだいぶ個性のある味わいに。
「綾鷹」もこの"合組"を何度も繰り返して完成しました。リニューアルにむけて約200回も試行錯誤を繰り返したんだそう。記者は一回体験しただけで、だいぶ心が折れました......。
新しい綾鷹が出来上がるまでに3年という時間をかけています。
その中で、「旨みはしっかり本格、後味は軽やか」という味わいを実現するために苦労したのが、"軽やかさ"。
"軽やかさ"は、一歩間違えれば"薄い"と感じられてしまうので、あくまで"軽やかな味わい"だと感じてもらえるラインを探り出すのが難しかったんだそう。
「現行を超える」という目標に向かって、並々ならぬ苦労があったことを滲ませます。
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。