出雲あきらの演劇Life
トニー賞授賞式に22回出席している唯一の日本人、出雲あきら氏が今注目のお芝居を紹介。演劇評論家でありながら現役広告マンでもある出雲氏独自の視点で、ビギナーさんにもぴったりな1本を紹介します。
2017/5/24

三宅裕司の「東京喜劇」は爆笑の連続! 毎年5万人動員の人気公演を見に行こう

消えた目撃者と悩ましい遺産

戦前から戦後にかけて、東京ではエノケン(榎本健一)、ロッパ(古川緑波)に代表される"軽演劇"が一世を風靡しました。年配の人から若い人まで、あらゆる年代の人達が一緒に笑える大衆的なお笑いを目指し、やがて東京喜劇と呼ばれるジャンルを確立していったのです。その伝統を受け継ぐ三宅裕司が率いる『熱海五郎一座』の新橋演舞場公演が今年もやってきます。

由来は「伊東」の手前で「四朗」の次

この一座は、伊東四朗と三宅裕司を中心に結成された『伊東四朗一座』がベースとなっています。伊東四朗が参加できなかった回に『熱海五郎一座』と銘打ち公演を行ったことがきっかけとなって、三宅裕司が率いる場合は『熱海五郎一座』と称するようになりました。ちなみに、名前の由来は、伊東の手前が熱海で、四朗の次は五郎、ということだそうです。

新橋演舞場で公演を行うようになって今年で4回目。今では毎年5万人以上を動員する人気公演に成長しました。

三宅が常にこだわっているのは東京喜劇。万人に受け入れられるお笑いに徹し、時には歌やダンスなども取り入れた、娯楽性の高い舞台を目指しています。冒頭のシーンから休憩を挟んで2幕のエピローグまで爆笑の連続で、ラストにはホロリとさせられるという物語構成は今回も変わらないはずです。

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

[続き]今年の物語はミステリー
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