小林さん自身は、花乃子や亜希に似ていて、百合子や澪とは共通点が少ないそう。とはいえ、4人それぞれが抱える悩みや不安は、どれも小林さんにとって身近なものばかりです。
作品の根幹となったのが、20代後半に感じていた焦りやプレッシャーでした。
「友達がだんだん結婚や出産をするようになって、自分でも気づかないプレッシャーがすごくあったんですよね。『将来絶対結婚したい』と思っていなくても、出産する可能性を捨て切らない限りは、何歳までに産むなら何歳までに出会って何歳までに結婚して......という逆算をしなくてはいけないような。 当時は自由なつもりでいましたが、振り返ってみると、ギリギリの気持ちで生きていた気もするんです。自分が苦しんでいることを、自分で認めたくなかったのかもしれません」
現在はすでに結婚している小林さん。ある程度気持ちが落ち着いたからこそ、冷静に振り返れるようになったといいます。
「当時、『男性1人を夫にしなくても、女同士で家族をやっていける』という、新しい選択肢を書けたらいいなと思ったんです。 夫としても父親としても最高な男性に出会うって、かなり難しいんじゃないかと思うんですよね。しかも、最高の結婚相手ばかりを求めていると、『夫だけが人生をよりよくする手段だ』という考えにはまり込んでしまいそうですし。 正直言って、生身の男性の協力がないとできないことって生殖くらいだと思うんですよ。『子どもを産むかも』という意識があるから、プレッシャーに押しつぶされそうになる。そこさえクリアすれば、1人の男性とつがわなくても生きていけるのでは? と考えて、この小説になりました」
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。
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