2024/5/11

K-POP名MC古家正亨さんが考える、私たちが韓国にハマる理由とは?「K-POPの仕事現場はクセになるんです」

自分に課している"役目"

そうして古家さんが降り立った、90年代後半の韓国。「思っていたよりもはるかに発展していた」「独自の文化があると同時に、日本からの影響も思った以上に受けていた」と振り返ります。そして、「思っていたよりも、日本人のことを理解していた」とも。

日本のメディアはすぐに「反日」と報じたがりますが、実際に行ってみたら決してそんなことはなく、皆、すごく良くしてくれたんです。最近でも「ノージャパン」をスローガンに掲げながら、反日機運の高まりをメディアが報じていましたが、ソウルの街中にはいたるところに日本式居酒屋があって、そこで普通に日本食を食べていましたし。政治的な摩擦もありながら、そうじゃない側面もあることを知ったわけです。

その後、韓国ドラマ『冬のソナタ』で知られる俳優ペ・ヨンジュンさんの初ファンミーティングのMCを皮切りに、KARA、BIGBANG、BTSなど、名だたるアーティストや俳優のイベントMCを務めるようになりました。日韓の橋渡し役として大事にしているのが、古家さん自身の歴史のとらえ方だといいます。

2003年、韓国ドラマ『冬のソナタ』のブームをきっかけに、日韓の距離が一気に縮まりました。でも、この出来事が歴史の教科書に載るかというと、載らないんですよね。「ヨン様のおかげで日本人の対韓感情が変わりました」なんて書かれないじゃないですか。だけど、その時に生きている人からすると、そこで日韓が近づいたのは事実なんですよ。

そういった、その時その瞬間にそれぞれの国の一般の人たちの間で起こったことを、僕は大事にしようと思っているんです。国やメディアからは語られない歴史を語り継ぐのが、自分の役目だと思っています。

古家さんが思う韓国の面白さは「日本との違い」。外見はよく似ていても、「全く違う国だ」と日々実感するといいます。

韓国の人は、仕事の進め方や価値観が日本とは全く違います。日本は80点主義ですよね。リスクを冒さず、だいたい平均点くらいを維持すればクビにならないという。

韓国は極端なんですよ。100点を求めるんです。僕はその韓国のやり方に惹かれるんですよね。なぜなら、バッチリ決まった時にはすごいものができるから。なんだけど、100点を目指すとリスクが大きいので、0点もいっぱいある(笑)。

MCも、無難にやろうと思えばどうにでもできます。でも、韓国の人はそれを求めていないんです。何をするにしても、冒険しようとするんです。リスクを冒してまでもとにかくまずはやってみるという思いに向き合ってくれるのが、韓国の人たちです。その仕事のスタイルが楽しいですし、クセになりますね。

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

[続き]韓国は「ヨルチョン」の国
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