2024/5/11

K-POP名MC古家正亨さんが考える、私たちが韓国にハマる理由とは?「K-POPの仕事現場はクセになるんです」

古家正亨さん

時代は空前のK-POPブーム。なぜ今、私たちは韓国を"好き"になるのか......。推し・好きの気持ちを深掘る連載「好きってなんなん?」第7回は、誰よりも近くでK-POPを見てきたこの方にお話をうかがいました。韓国タレントのイベントMCを数多く務め、K-POPファンなら知らない人はいない、古家正亨(ふるや・まさゆき)さんです。

2024年4月2日には、著書『BEATS of KOREA いま伝えたいヒットメイカーの言葉たち』(KADOKAWA)が発売。韓流ブーム20年の歴史から、今をときめくK-POPのトップアーティストまでを、古家さんの視点から一望できる一冊です。

多忙な中、家族が寝た後や新幹線でも執筆したそう。そこまでしても伝えたい、古家さんが魅せられ続けている韓国の魅力とは何なのでしょうか。

カナダで出合った韓国

イベントMCとして知られる古家さんですが、本来はラジオDJ。本書も、韓国の著名クリエイターへのインタビューや、一般の方からの質問に答えるコーナーなどがあり、まさにラジオを聴くように読める構成です。

「いま届けたい、とっておきの15曲」コーナーで紹介している、BTSの「Black Swan」、SEVENTEENの「Pretty U」なども、事前に募ったリクエストから厳選した楽曲。さらに『BEATS of KOREA』というタイトルも、札幌FMで2001年にスタートした、古家さんの"原点"とも言えるラジオ番組「Beats-Of-Korea」からとったものです。

『BEATS of KOREA いま伝えたいヒットメイカーの言葉たち』(KADOKAWA)

古家さんが韓国の音楽に出合ったのは、1997年、なんとカナダ留学の最中。現地でできた韓国人の友達からプレゼントされた、Toyというアーティストのアルバム『Youheeyeol』がきっかけでした。

初めて聴いた時の衝撃は「頭を鈍器で殴られるくらいのショック」だったそう。もともとラジオが好きで、大学在学中からDJを始めていたため、日本でラジオを通して韓国の音楽の魅力を伝えようと動き始めます。

しかし、当時は韓国の文化が日本にほとんど知られていなかった時代。壁が大きかったといいます。

90年代後半、韓国のポップカルチャーは日本で受け入れられていませんでした。限られたマニアのものでしたね。

そんな時代に、カナダという第三国で、韓国の人と出会ったのは大きな経験でした。当時の日本人は「日本は先進国」という意識が強く、外国に行って韓国人や中国人に間違われると「なんで一緒にされるの?」と思うような風潮だったんですよ。カナダに行って、僕は「日本ってこんなにちっぽけな国なんだ」「僕はアジア人なんだ」と気づかされました。

そして、これからは日本人がアジアの中での立ち位置をしっかりわかっていないと、世界から取り残されると思ったんです。だからカナダにいるよりもプラスになると思い、韓国に行きました。当時はカナダよりもはるかに行きづらい国だったんですよ。韓国人の友達にすら、「どうして日本人が韓国に行く必要があるの? 何を学ぼうとしているの?」と引き留められたんですから。だけど僕にとってはそれがますます、韓国に行く原動力になりました。

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

[続き]自分に課している"役目"
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