2024/4/20

仏像もアイドルのように"ステージ"に立ってこそ。芸人・みほとけさんに聞いた"推しほとけ"愛

みほとけさん

推し活ブームの今、人やキャラクター以外でも、あらゆるジャンルに推しをもつ人がいます。なかには、推しが仏像という人も。

"仏像大好き芸人"のみほとけさんはその一人です。2024年3月13日には、48の仏像の魅力を紹介する初の著書『みほとけの推しほとけ』(笠間書院)が発売されました。「めちゃくちゃイケメン」「天才モデル」「美のスパイラルカーブ」など、愛と興奮が伝わる解説にあふれた一冊です。

推しをもつ人に話を聞く連載「好きってなんなん?」第5回では、みほとけさんに、仏像の魅力と"好き"の気持ちをたっぷり語っていただきました。

修学旅行で運命の出合い

そもそもみほとけさんはどうして仏像好きに? という、"沼落ちエピソード"から聞いてみました。みほとけさんは神奈川県鎌倉市出身。もともと身の回りにお寺や古い場所があり、親しみがあったそうです。

仏像にハマったきっかけは、高校の修学旅行で行った京都府・六波羅蜜寺の空也上人立像。空也上人は平安時代中期に活躍した僧侶です。仏像は、「南無阿弥陀仏」という言葉が六体の小さな仏になって口から出てくる印象的なビジュアルで、見たことがある人も多いのではないでしょうか。

『みほとけの推しほとけ』(笠間書院)表紙中央が、みほとけさんの描いた空也上人立像

「拝観した時、衝撃で。こんなに体からにじみ出る物語やオーラがあるんだと感動しました。口からちっちゃい仏像が出てるの、写真で見るとちょっと面白いじゃないですか。そう思って行ったら、めちゃくちゃかっこよくて。こんなに渋くて、こっちに語りかけてくるかっこよさがあるんだ......と思って、ハマりましたね」

口から仏像が出ている様子を拝観して、「本当にしゃべってる」「これが生きざまだ」と感じたというみほとけさん。写真で見るのと実際に目の前にするのとでは、感じ方が全く違うそうです。ある角度から覗いた時だけ、目に入っている水晶(玉眼)がチラッと光って見えるのも、空也上人が生きているように感じられてたまらないのだとか。

「玉眼が、私には泣いているように見えました。生気や力強さを感じるという人もいて、感じ取り方は人それぞれのようです。仏像は人によっても感じ方が違うし、自分のコンディションによっても違うんですよ。すごく楽しい気分の時に行ったら『会えてうれしい~!』という気持ちになるし、ちょっと疲れた時に行ったら『ああ、来られてよかった......』とほっとします。自分が今、仏様に何を求めているのかがわかるんです」

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

[続き]ネコ顔仏がたまらない
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