2024/4/ 1

「なんだか最近ツイてない」そんな人に知ってほしい《運》の秘密。

「これぞ」と思ったら、粘る

受験、就職活動、結婚、家庭、仕事......と、私たちは生きていくうえでさまざまなゲームに参戦しています。「これぞ」と思ったゲームで負けが続いたら、「もうやめようかな」と弱気になりますが、「運のいい人はゲームをおりない」といいます。

ここでも、最初に出てきた「ランダムウォークモデル」の考え方をします。コインを投げたときと同じく、長期的に見たら、目的や夢に向かう道のりにもマイナスとプラスの両方が入り込んでくるのです。

マイナスの出来事が立てつづけに起きるかもしれないけれど、いつかは必ずプラス方向に振れるときがくる、と考える。いつかくるプラスのときのためにいま何ができるかを考え、準備しておく。逆にプラスの出来事が続いても気をゆるめずに、夢の実現に向けて邁進する。とにかくゲームをおりずに粘りつづける。

本書では、37の「運のいい人は○○」とその科学的根拠について、くわしく、そしてわかりやすく紹介されています。ただの経験談ではない「運のいい人」になるためのヒントは、好奇心を満たすとともに、なんとも説得力がありました。

個人的には、「『自分は運がいい』と思い込む」を実践しているのですが、それは何が起きても「自分は運がいいから、これには意味がある」と思うことで、前を向けるからです。よくよく見ると、不運の中に幸運が潜んでいることも。たしかに、「運は100%自分次第」なのかもしれません。

つい狭い範囲の表層を見がちですが、俯瞰の目を大事にしたいですね。気づいていなかっただけで、それなりに幸運を手にしてきたのかも......と思えてきます。「運」の秘密を知って、「ツイてない人」→「運のいい人」に自己イメージが更新される一冊でした。

(Yukako)

『新版 科学がつきとめた「運のいい人」』中野信子 著(サンマーク出版)

■目次

第1章 運のいい人は世界の中心に自分をすえる

第2章 運のいい人は「自分は運がいい」と決め込む

第3章 運のいい人は他人と「共に生きること」をめざす

第4章 運のいい人は目標や夢を「自分なりのしあわせのものさし」で決める

第5章 運のいい人は祈る

※本書は、サンマーク出版より単行本(2013年2月)および文庫本(2019年5月)で刊行された『科学がつきとめた「運のいい人」』を加筆、再編集したものです。

■中野信子さんプロフィール
なかの・のぶこ/東京都生まれ。脳科学者、医学博士。東日本国際大学特任教授、森美術館理事。2008年東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。脳や心理学をテーマに研究や執筆の活動を精力的に行う。著書に『エレガントな毒の吐き方 脳科学と京都人に学ぶ「言いにくいことを賢く伝える」技術』(日経BP)、『脳の闇』(新潮新書)、『サイコパス』(文春新書)、『世界の「頭のいい人」がやっていることを1冊にまとめてみた』(アスコム)、『毒親』(ポプラ新書)、『フェイク』(小学館新書)など。

画像提供:サンマーク出版

※この記事による収益の一部は、東京バーゲンマニアに還元されます。

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

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