意外に知らないヨーグルトの違い。賢く選ぶなら「健康コスパ」一択では?
【提供:ウェルネス総合研究所】普段何気なく、味や価格の安さなどで購入することが多い食品。
「なんとなく」で選びがちですが、食品は自分の体をつくる素になります。せっかく食べるのであれば、健康も意識して選びたいですよね。
そこで、"健康コスパ"という、その食品を食べることで得られる健康効果に注目した考え方に着目しました。
"健康コスパ"とは、「同じような食品でも栄養が豊富であったり、特筆すべき栄養素が入っていることで、より健康にプラスに働くこと」を指します。
今回は、健康によいとされる食品の代表格「ヨーグルト」をピックアップ! "健康コスパ"という視点で見えてくるヨーグルト選びの新基準について紹介します。
いつものヨーグルトに◎◎菌は入ってる?
ヨーグルトと聞くと「ビフィズス菌」や「乳酸菌」を思い浮かべます。どちらも私たちの健康をサポートする善玉菌ですが、"健康コスパ"でみると違いがあります。
まず、ビフィズス菌と乳酸菌は違う種類の菌で、すむ場所もはたらきも異なります。何よりビフィズス菌は、すべての市販のヨーグルトに入っているわけではありません。
「乳酸菌+ビフィズス菌」入りのヨーグルトもあれば、「乳酸菌」しか入っていないものもあります。パッケージをよく見ると、ビフィズス菌と書かれているものといないものが......!
乳酸菌+ビフィズス菌のヨーグルト例:(左)ビヒダス プレーンヨーグルト(森永乳業)、(右)生乳100%ヨーグルト(小岩井乳業)
乳酸菌のみのヨーグルト例:(左)ブルガリアヨーグルト(明治)、(右)カスピ海ヨーグルト(フジッコ)
では、その違いについて、管理栄養士の浅野まみこ先生に聞いてみましょう。
「健康コスパ」で選ぶなら「乳酸菌+ビフィズス菌」のW入り!
「ヨーグルト選びの基準として、コスパ、タイパ、味、そして健康コスパの4つの軸で『乳酸菌のみのヨーグルト』と『乳酸菌+ビフィズス菌入りヨーグルト』を見ていきましょう」(浅野先生)
「ヨーグルトは、カルシウムやたんぱく質を摂取でき、腸内環境改善などのはたらきが期待できる食品です。安定的で、手頃な価格設定がされているため、コスパのよい商品といえるでしょう」
「『乳酸菌のみのヨーグルト』と『乳酸菌+ビフィズス菌入りヨーグルト』の価格差を比べると、若干ですが「乳酸菌のみのヨーグルト」が価格帯が高い傾向にあるようです」
次に"タイパ"。
「どちらも調理は必要がなくそのまま食べられて便利ですが、購入の手間でみると『乳酸菌のみのヨーグルト』は種類が豊富なこともあり、ヨーグルトを置いてあるほぼすべての店にあります。『乳酸菌+ビフィズス菌入りヨーグルト』は、ビフィズス菌を加えるという+αがあるため、乳酸菌のみのものに比べると種類が限られることもあり扱いのないコンビニなどもあります。"タイパ"では『乳酸菌のみのヨーグルト』に軍配が上がります」(浅野先生)
それではいよいよ、"健康コスパ"対決です。
「ビフィズス菌と乳酸菌は、どちらも腸活に欠かせない善玉菌ですが、それぞれすむ場所もはたらきも異なります。『ビフィズス菌』は主に嫌気性のため酸素のない大腸にすみ、乳酸のほか『短鎖脂肪酸』のひとつである酢酸を作ります。それに対し、乳酸菌は小腸にすみ、乳酸を作ります」(浅野先生)
大腸内における2つの菌の比率は、ビフィズス菌99.9%、乳酸菌はわずか0.1%で、ビフィズス菌の方が圧倒的に多いですね。
浅野先生はこう説明します。
「ビフィズス菌が作る酢酸は、私たちの身体に嬉しい作用をもたらすことが分かっており、健康面で注目が集まる物質です。悪玉菌を抑制したり、腸のぜん動運動を促したり、代謝を上げたりすることなどが期待できます。『乳酸菌+ビフィズス菌入りのヨーグルト』は、乳酸菌とビフィズス菌、どちらの作用も期待できるため"健康コスパ"が高いといえるでしょう」
なかでも筆者が注目したのは代謝アップです。
酢酸が交感神経を活性化させ代謝を高めることで、脂肪を消費しやすくしたり血糖値の上昇を抑えてくれるそう。さらに脂肪を蓄積しにくくする働きもあるため、ボディメイクのサポートも期待できるということです。年齢を重ねていくうえでは、重要な要素ですね。
「乳酸菌のみのヨーグルト」と「乳酸菌+ビフィズス菌入りヨーグルト」のチャート図
ヨーグルトじゃなくてスーパーヨーグルト!?
こういった作用のため「短鎖脂肪酸」は"スーパー物質"と呼ばれることもしばしば。
乳酸菌入りをヨーグルトとするなら、乳酸菌に加えてビフィズス菌も入ったものは「スーパーヨーグルト」と言えそうですね。
「『酢酸を口から食べたら良いのでは?』と思われる方もいると思いますが、大腸に届く前に消化吸収されてしまうためその働きを期待するには、大腸で増やすしかないこともポイントです」(浅野先生)
「また、大腸内のビフィズス菌は年齢とともに減少し、食や生活の乱れからぐっと減ることもわかっているので、意識して取り入れたいですね」
そこで浅野先生に、ビフィズス菌の効果的な摂り方を聞きました。
「ビフィズス菌はこまめに摂取することが大事です。できるだけ毎日摂りましょう。目安は、『ビフィズス菌入りのヨーグルト』1日100g。ただし、それほど量にはこだわらず、習慣化させ、継続することが望ましいです」
また、ビフィズス菌は酸に弱いため、食べるなら空腹時は避けたほうがいいそう。
「胃酸に負けてしまうので、食後等に食べるのがおすすめです。ビフィズス菌のエサとなる水溶性食物繊維が摂れる根菜類や、オリゴ糖が摂れるフルーツと一緒に食べるといいですよ」(浅野先生)
味もこんなに違う!
「『乳酸菌のみのヨーグルト」と、『乳酸菌+ビフィズス菌入りのヨーグルト」では、味も違います」(浅野先生)
「特徴的なのは酸味です。「乳酸菌のみのヨーグルト」は、発酵によるすっぱさを感じるものが多く、酸が苦手なビフィズス菌入りは、酸味を抑えたまろやかな風味になります」
食べ比べてみるとその差がはっきり! 「ブルガリアヨーグルト」(乳酸菌のみ)と「ビヒダス プレーンヨーグルト」(乳酸菌+ビフィズス菌入り)では、酸味の強さが大きく異なりました。個人的にはビフィズス菌入りのほうがまろやかで食べやすいと感じました。
同様に「カスピ海ヨーグルト」(乳酸菌のみ)、「生乳100%ヨーグルト」(乳酸菌+ビフィズス菌入り)も、それぞれ味に個性はありますが、乳酸菌のみのヨーグルトの方がすっぱく感じました。
好みにもよりますが、どんな人でも食べやすいと感じるのがビフィズス菌入りのほうでしょう。
健康コスパで選ぶのも手
"健康コスパ"を意識することで、自分の身体にとっておトクなものを選べるようになります。
せっかく買うならより健康機能が期待できるほうがお得ですよね。スーパーに行った際は、ぜひパッケージもチェックをして、全身の健康によりつながるヨーグルトを賢く選びましょう。
(企画編集)* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。