辛酸なめ子の東京アラカルト
漫画家・コラムニストの辛酸なめ子さんが注目する東京のお出かけスポットやイベントを紹介。辛酸さんならではの視点、現地でのエピソードに思わずニヤッとしてしまいます。
2020/6/13

ぶよお堂の地図で時空間トリップ【辛酸なめ子の東京アラカルト#39】

安くておしゃれで買わずにはいられない地図文具

そして何より物欲が刺激されたのは地図文具の数々。スマホケースからマスキングテープ、レターセット、下敷き、クリアファイル、レジャーシート、スカーフ、マグカップ、トートバッグなど、いろいろありました。

地図柄は不思議とおしゃれに見えるので外れありません。その中で物欲が刺激されたものは、江戸の古地図のクリアファイル

(不思議と地図のアイテムはおしゃれ感が出ます。流行に左右されず普遍的なビジュアルだからでしょうか)

300円台と安いのに情報量が多くて、しばらく江戸にトリップできます。地図に占める大名屋敷の面積を見ると、大名というのは現代に当てはまる人がいないくらいすごい存在だったということが如実に見て取れます。

そして「地図扇子」というナイスなアイテムを発見。国土地理院の廃盤の地図を利用してセンスにリメイクしたエコロジーな一品です。

(「地図扇子」(800円)には山シリーズ、自然シリーズ、街シリーズなどたくさん種類があります。縁やゆかりのある土地の扇子を見つけたら購入したいです)

(子ども時代に住んでいた浦和の地図の扇子を発見。他にも東松山、久喜、上尾、赤羽、拝島、溝口、荏田、船橋などあるようです。渋いラインナップ)

自然シリーズ、街シリーズなどあり、その中にかつて実家があった浦和を発見し、即購入。これであおげばいつでも懐かしい浦和の風を感じられます。彩湖(貯水湖)が見切れていました。

他のお客さんも「あ、あった!」と買っていった目当ての品は、「マップメモ」です。こちらも廃盤の地図の紙を利用したメモ帳で91円という安さも魅力です。ランダムにどこかの地図が入っているので、知らない土地に脳内トリップする楽しさが。

(アド街でも取り上げられていた、国土地理院の廃図を利用したメモ帳。裏側が日本のどこかのランダムな1:25000地形図になっています)

今回マップメモを何冊か買って、その中の地図で以下のスポットを新たに知ることができました。

(購入したマップメモ。行ったことのない山奥や、知らない島など、地図に思いを馳せることで脳内旅行できます)

・沖の白石 琵琶湖の真ん中の岩。パワースポットらしいです。
・ジダンゴ山 丹沢の山で、飛鳥時代に「シダゴン」と呼ばれた仙人が住んでいたそうです。
・幸運 北海道に実際にある地名。幸運沼もありました。
など......。

 

地図を眺めてパワースポットを発見できる楽しさが。実際に旅行できない外出自粛の日々が続いていますが、地図を眺めて実際の土地を想像して、旅行代金を節約した喜びに浸りたいです。

辛酸なめ子

東京都生まれ、埼玉県育ち。漫画家、コラムニスト。武蔵野美術大学短期大学部デ ザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。近著に、『ヌルラン』(太田出版)、『タピオカミルクティーで死にかけた土曜日の午後』(PHP研究所)『スピリチュアル系のトリセツ』(平凡社)『愛すべき音大生の生態』(PHP研究所)などがある。

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

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