意識高い系寿司ブリトー 【辛酸なめ子の東京アラカルト#25】
キャッシュレスなので多少高くなっても気にならず......
寿司ブリトーのお値段は......1200円前後。メニューには「サーモン・イン・ブルーム」価格\1087~、「マグアボ・トーキョーロード」価格\1177~などと表記され、時価によってAIが価格を設定するそうですが、これだと値上がりはあっても値下がりはない感じです。
ためしに注文をクリックしたら「サーモン・イン・ブルーム」1,173、「マグアボ・トーキョーロード」1,271円とちょっと高くなりました。まあ許容範囲でしょうか......。クレジットカード決済なので、財布からお金を出す時よりも金銭感覚がゆるくなっています。

「マグアボ・トーキョーロード」の断面。直径6センチくらいありました。一食これでまかなえます。

「バレンタイン・ホワイトデー限定ブリトー」の断面。ポークはカカオやピーナッツで味付けされていておしゃれです。
「マグアボ・トーキョーロード」と、1200円固定の「バレンタイン・ホワイトデー限定ブリトー」(ポーク味)をオーダーし、合計\ 2,567に。おにぎりとかと比べるとお高いですが、物価が高いアメリカ西海岸発らしいので妥当なのでしょうか。先日LA帰りの知人がランチ代に5000円くらいかかったと言っていたし......と頭の中で逡巡し、自分を納得させます。
注文して時間を指定。この時間に30分以上遅れると商品は破棄されてしまうらしいので時間厳守です。この日は寿司ブリトー中心に。
定められた時間に店舗へ。中にはテイクアウトした人が食べられるテーブルとペンチもあり、外国人観光客がランチしていました。日本人でも注文に手間取ったのに、ITに強い方々なのでしょうか。LEDで光る棚が未来っぽいです。

結局AIはどこにいるのかわからなかったです。店舗の奥でPCで作業している人はいました。
ここに自分が注文したブリトーが置かれていました。とくにQRコードで扉を開けるとかもなく、誰でも取れるオープンな棚です。このお店は性善説に基づいているのかもしれません。
ただ取っていって良いのかわからなくて、棚の隙間から見える厨房のスタッフさんに「これは持って行っていいんですか?」と確認しました。公式サイトには、スタッフは接客を行わないので業務に専念できる、と書かれていたので、話しかけて余計な労働をさせてしまい申し訳なかったです。

ボックスに入っていた寿司ブリトー。ピンクの箱がかわいいです。
店内に流れる店舗紹介映像では「店員とのコミュニケーションが苦手でも注文できるよ!」と言われていました。たしかにコミュニケーション苦手ですが、そこまででは......。
肝心の寿司ブリトーは、ずっしりしていて野菜もたくさん入っていておいしかったです。断面がきれいで見応えあるので断面フェチにもおすすめ。意識の高い店が今後も続くよう、また注文したいです。
1974年、千代田区生まれ、埼玉育ち。漫画家・コラムニスト。著書に、『消費セラピー』(集英社文庫)、『女子校育ち』(ちくまプリマー新書)、『女子の国はいつも内戦』(河出書房新社)、『なめ単』(朝日新聞出版)、『妙齢美容修業』(講談社文庫)、『諸行無常のワイドショー』(ぶんか社)、『絶対霊度』(学研)などがある。
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。