辛酸なめ子の東京アラカルト
漫画家・コラムニストの辛酸なめ子さんが注目する東京のお出かけスポットやイベントを紹介。辛酸さんならではの視点、現地でのエピソードに思わずニヤッとしてしまいます。
2019/2/ 1

都心のプラネタリウムでオーロラヒーリング 【辛酸なめ子の東京アラカルト#23】

「コニカミノルタ プラネタリア TOKYO」の入口。有楽町マリオン9階です。

有楽町にプラネタリウム「コニカミノルタ プラネタリア TOKYO」がオープン。有楽町はもともとプラネタリウムにゆかりがあって、1938年に東日本初のプラネタリウムがオープンしたのが有楽町だったそうです。当時の入場料は大人50銭。今のお金に換算すると1000~2000円くらいでしょうか。今回オープンしたプラネタリウムは、安くて大人1600円、生演奏つきだと3000円と、プログラムによって違いがあるようです。

今回、一番星空について学べそうな「オーロラの調べ」のチケットを購入。開演まで時間があったので施設内を見て回りました。

ショップの商品ラインナップはセンス良く、星や宇宙、鉱物などのモチーフの素敵な文房具や雑貨が並んでいました。

ショップのラインナップも素敵でした。星や宇宙、鉱物などをモチーフにしたアイテムなど。こちらは星柄ネクタイです。

入口のレイアウトなどSNS映えを意識している感じです。最近の施設はどこを撮られても良いように内装を考えないとならなくて大変です。ドリンクやフードのメニューも世界観が一貫していました。

星にまつわるドリンクやフードのメニュー。色合いがおしゃれです。底が光るようになっているボトルもあり、写真撮られまくっていました。

ブルーのギャラクシードーナツ、星の標本箱と題されたおつまみセット、サターンやヴィーナス、マーズなど惑星の名前のノンアルコールドリンクなど。グラデがきれいだったマーズ(680円)のドリンクを購入。おいしかったですが、ほとんど氷でした......。平均気温はマイナス43度という火星の環境を表現しているのでしょうか。それならヴィーナスはホットドリンクでも良いかもしれません。

映えするドリンク。ラズベリーとレモンのハーモニーが。「マーズ」という星にちなんだ名前で680円。

有楽町の星空の夢と現実

並んでいる間、QRコードを読み込んで流れ星に願いを届けることができます。ちなみに奥の文字で読みづらいですが「健康」という願いを送りました。

そうしているうちに時間になったのでDOME1へ。廊下で入場を待っている間、スマホで流れ星の映像に願い事を送ることができる仕掛けが。待ち時間も飽きさせません。「◯◯と幸せになりますように」そんな願い事が流れる中、「健康」という切願を送信。

DOME1は前列はクッションが並んでいました。DOME2の方が内装がゴージャスで快適だったようです。

いよいよDOME1の中へ。新しくてきれいです。前方の席を予約したら、クッションが並んでいました。温泉施設の休憩スペースみたいな感じです。下は普通に土足の床なので、クッションの上で安定する姿勢を探りつつ、荷物をロッカーに預ければ良かったと今さらながら後悔。時間的に間に合わないので、上映中、ずっとラッコのようにお腹の上で荷物をホールドし続けることに......。(ぜひ行かれる方はロッカーの利用をおすすめいたします)

「オーロラの調べ」の前半は、冬の星空についてのレクチャーで、日本から見られるメジャーな星座と神話の解説など、普通に勉強になります。冬の大三角形は、ベテルギウス、シリウス、プロキオン......中学受験で覚えた記憶が蘇ります。こちらのプログラム、受験勉強にもちょっと役立ちそうです。

ナレーションは男性の声で「さあ、僕と一緒に星を見に行こうよ......」などとささやいてくるので、女性客は良いとして男性客はどんな気持ちなのか気になりました。

そして後半は本題のオーロラについてです。ドーム型にオーロラの映像が投影され、リアルに再現。実際のオーロラは見たことないですが、もう一生分のオーロラを見たくらいの充実感が。しかもオーロラはゆったり流れているだけではなく、太陽フレアが爆発したときはすごいスピードで乱舞するらしいです。

激しすぎるオーロラの映像を見て、これを実際に見たら正気じゃいられないかも、と思いました。北欧の自然や白夜の映像など、快適なドーム内で横たわって、極寒の景色を堪能できました。オーロラの仕組みなども丁寧に解説されて、かなりよくできている映像でした。

ただ残念だったのは、後ろのクッションに寝ているおばさんが、たびたび脚でこちらの頭上を蹴ってきたこと。間隔が狭いから仕方ないのですが......。皆、横たわって膝を立てた姿勢で見ているのですが、脚を伸ばしたら前の人のクッションに当たってしまいます。

思わず振り返ったら、おばさんのズボンの股間が見えました。美しい星空とのギャップが......。その苛立ちもオーロラで少し緩和することができました。椅子の席の方が快適かもしれません......。

外に出て空を見上げたら、街の照明が明るくて、星一つ見えませんでした。都会にこそプラネタリウムはマストだと実感しました。

「ナイトクルージング」というVR星空散歩ができるブース。卵形の椅子が座り心地良さそうです。こちらは大人1500円。

 
辛酸なめ子

1974年、千代田区生まれ、埼玉育ち。漫画家・コラムニスト。著書に、『消費セラピー』(集英社文庫)、『女子校育ち』(ちくまプリマー新書)、『女子の国はいつも内戦』(河出書房新社)、『なめ単』(朝日新聞出版)、『妙齢美容修業』(講談社文庫)、『諸行無常のワイドショー』(ぶんか社)、『絶対霊度』(学研)などがある。

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

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