出雲あきらの演劇Life
トニー賞授賞式に22回出席している唯一の日本人、出雲あきら氏が今注目のお芝居を紹介。演劇評論家でありながら現役広告マンでもある出雲氏独自の視点で、ビギナーさんにもぴったりな1本を紹介します。
2014/2/ 1

【第5回】チケットは争奪戦! 男性だけの人気劇団「スタジオライフ」 最新作テーマは"十字軍"

ダブルキャストも楽しみの一つ

そのスタジオライフの最新作は、80歳を超えてなお筆が衰えることを知らない皆川博子が昨年刊行した『少年十字軍』の初舞台化です。

13世紀に状況を借りた、まさに現代の物語で、情報が溢れ混沌とした価値観の中に生きる我々に、エルサレムを目指し旅を続ける子供たちに起きた出来事を通じ、悪とは何か、経済とエゴに動かされる社会の中で真実とはどこにあるのか、考えさせられる舞台とのこと。原作者の皆川氏は、「原作の魂をつかんで視覚化してくださるスタジオライフに謝意をささげます」とコメントを寄せています。

スタジオライフはダブルキャストによる上演も楽しみの一つです。メインの役数人を2チームに分けて交互に上演していきます。まったく違う芝居を観ているように感じるほどそれぞれの完成度が高いため、熱心なファンは必ず2回観るようです。

男優たちと女性演出家の織りなす、虚構と現実の狭間を体験してみませんか。


Studio Life公演『少年十字軍』
原作:皆川博子『少年十字軍』(ポプラ社刊)
脚本・演出:倉田 淳
出演:下記のダブルキャスト
Fluctusチーム:山本芳樹、関戸博一、藤森陽太、田中俊裕、鈴木翔音、仲原裕之、曽世海司 他
Navisチーム:
松本慎也、宇佐見輝、久保優ニ、千葉健玖、原田洋二郎、牧島進一、青木隆敏 他
東京公演 2月8日(土)~3月2日(日) シアターサンモール
名古屋公演 3月8日(土)~9日(日)名鉄ホール
作品の詳細は公式サイトで。


出雲 あきら(いずも・あきら) 出雲 あきら(いずも・あきら)

演劇評論家。ラジオや雑誌等で多くの演劇コーナーを担当。トニー賞授賞式に20年出席している唯一の日本人。広告会社電通に勤務する会社員でもある。

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

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