銀座を歩いていると、松坂屋のビルの一帯が閑散としていて、ここに何度も通った日々が懐かしく思い出されます。地下のフルーツショップのジュースがおいしかったこと、マクロビ系の中華料理屋でよく惣菜を買ったこと、1Fのギャル系ショップでよく安いワンピを物色していたこと......。銀座の三越や松屋はいつも混んでいたけれど、松坂屋のデパ地下は空いていてゆったり買えるのが魅力でした。都心の一等地と思えないまったりした空気が流れていました。それらが今はもう全て存在していないなんて......。

生き馬の目を抜く混雑の中ゲットしたネックレスだったが

松坂屋の最後の思い出は閉店セールです。今年6月、閉店の日まで10日間続いた「建替え前の全館閉店さよならSALE」では、今までforever21があった跡地で銀座マギーというマダム向けの洋服ブランドが商品を展開していて賑わっていました。ただ、松坂屋の歴史を展示した階段は空いていたのに一抹の侘しさが......。お客はハンターの目でお値打ち品を探していました。

アクセサリーフロアでは、3300万円が2488万円に値下がりしたイエローダイヤモンドのリングなんていうお得な品も売られていましたが、とても買えないので一階の安めのアクセサリーショップをチェック。警備員が「財布を抜かれる可能性もあるので気をつけてください!」と再三注意を促すほどの生き馬の目を抜く混雑の中、なんとか手を伸ばしてgetしたネックレス。天然石も入っているのに1000円なんてお買い得です。光を反射してキラキラ輝く石を大切に松坂屋の思い出としてとっておこうと思いました。

しかし数か月後、松坂屋の閉店セールで見かけたラインナップと同じような品揃えのアクセサリーショップを、他のデパートの催事場で発見。あのお店は、松坂屋本来のテナントではなく、全国のデパートのイベントに出店している流しのアクセサリーショップだったのかもしれません。せっかく感傷に浸っていたのに、ちょっと残念です。プロの商売人には叶いません。

＊ 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。