家族を守るため、なんとかしなきゃ
梅子の母は2年前、実家で突然死しました。このことが、梅子の心にいまも暗い影を落としています。「わたしが...もっと早く着いていたら」と、ずっと罪悪感に苛まれているのです。
どこに向かっても間違っているような この先にもっと恐ろしいことが待っているような そんな気がして――
仕事、リフォーム、引っ越し......。この漠然とした不安を、どうしたらいいのかがわからない。不吉な予感は的中し、実家で夫がけがをしました。「この家は不幸が起こるんだ」「なんとかしなきゃ」と思い詰めた梅子は、藁にもすがる思いで風水に頼ることにしたのです。
夫に黙って、風水師による実家の現地調査を10万円で依頼します。「家族を守るため」だから、「必要なこと」だからと、自分に言い聞かせながら。
風水を始めてから運気が少しずつ良くなっているのを感じた梅子は、スピリチュアルの沼に際限なくはまり込んでいきます。梅子の度を越した行動は、占いを勧めたあかねも「占いはただの潤い!」「占いが呪いになってどうするのっ」と困惑するほどでした。しかし、そんなあかね自身も、占いにどんどんすがっていって......。
いったいどこで間違えたんだろう
最初はただ、「家族のために」や「幸せになりたい」という思いで、ほんの少し占いの力を借りるだけのつもりでした。しかし、過度にのめり込んだ結果、占いは呪いになってしまったのです。過去のトラウマ、将来への不安......。悩んでいるときになにかにすがりたくなる気持ちは、誰の中にもあるのかもしれません。波乱の果てに、彼女たちは「自分の本当の気持ち」に気づくことができるのでしょうか。
※画像提供:KADOKAWA
(東京バーゲンマニア編集部)