『占いにすがる私は間違っていますか?』福々ちえ 著(KADOKAWA)
「ただ幸せになりたい それだけのつもりだったのに。」
漫画家・イラストレーターの福々ちえさんの『占いにすがる私は間違っていますか?』(KADOKAWA)は、いまの幸せを守るためにほんの少し占いの力を借りるつもりが、しだいにスピリチュアルの沼にはまっていった女性たちを描くセミフィクションです。なぜ彼女たちは占いにすがり、占いは呪いになってしまったのでしょうか。
自信がなくて、いつも不安
石井家は、専業主婦の梅子(35歳)、夫の克実(40歳)、娘の結花(9歳)、息子の壱弥(5歳)の4人家族。それなりに幸せな暮らしをしている一方で、梅子は自信を持てずにいました。
母は生前、梅子のことを「我が家の幸運の女神だわ」と言っていました。梅子は母のことが大好きで、あんな母親になりたい、と思っていました。
しかし、大人になってからは「ツイてない」と感じることばかり。学校の保護者の集まりに行けば、仕事をしている母親たちに劣等感を抱き、「このままじゃダメだ...」と痛感します。「仕事しなきゃ」と思いながらも、なかなか動き出せません。梅子はいつも不安で、うじうじしているのでした。
梅子の父と母の死を経て、そろそろ実家の片付けとリフォームをすることになりました。ただ、ここでも梅子は不安を感じています。というのも、両親は実家で亡くなっていて、あの家は運気が悪いような気がするからです。
そんなとき、親友のあかねから勧められたのが風水でした。実はあかね自身、進展しない彼氏との関係に悩んで占いをしていると言います。「しっかり者のあかねでも占いに頼るんだ」と意外に感じつつ、「そういうの大事かも!」と梅子は思うのでした。