辛酸なめ子の東京アラカルト
漫画家・コラムニストの辛酸なめ子さんが注目する東京のお出かけスポットやイベントを紹介。辛酸さんならではの視点、現地でのエピソードに思わずニヤッとしてしまいます。
2021/4/17

下町のリバーサイド「東京ミズマチ」でプチトリップ【辛酸なめ子の東京アラカルト#49】

浅草とスカイツリーをつなぐ素敵な複合施設「東京ミズマチ」。去年オープンしてすっかり街になじんでいるようです。

なかなか遠出しにくい昨今、何度か訪れて水辺のプチトリップ感を楽しんでいます。

浅草から行くルートと、スカイツリーの押上から行くルート、吾妻橋からのルートなどいくつか行き方があります。押上から行く場合、案内の地図がほとんどなくて結構難易度が高いです。北十間川に沿っている施設なので川を目指すと良いでしょう。

(「すみだリバーウォーク」からの眺め。以前と比べると水質が良くなっています。)

「東京ミズマチ」という名称通り、川の景色を眺められるようになっていますが、川の色が緑でよどみ感が......。正直、せせらぎ感はないです。

でも、浅草駅から行けば、ちょっと歩きますが、隅田川にかかる「すみだリバーウォーク」を通ることができて、電車がすぐ横を通ったりして非日常感が。隅田川の水質が意外ときれいになっていることにも気付かされます。ユリカモメやオオバンなど水鳥の生態も観察できて楽しいコースです。

(恋人たちの聖地的な場所が橋の上にあり、たくさんの鍵がかかっていました。通りすがりのカップルの女子が「みんなずっと続きますように」と祈っていました)

「東京ミズマチ」の物価はおしゃれ度に比例?

(2月に訪れた時、公園でテントを張っている地元っぽい人が結構いました。寒くないのでしょうか......)

川を渡るとまず見えてくるのが隅田公園。桜の季節はお花見スポットとして人気ですが、2月に訪れた時はなぜか公園に複数テントが張られ、地元の人がパーソナルスペースでリラックスしているようでした。

公園と川に挟まれた「東京ミズマチ」。浅草側のウエストゾーン、スカイツリー側のイーストゾーンにわかれています。

(一見ファミリーマートに見えないミズマチ仕様のファミマ。和のテイストでしょうか)

ウエストゾーンにはカフェ「LAND_A」や雑貨屋「KONCENT」、甘味処「いちや」、「パンとエスプレッソと」が手がけるベーカリーカフェ「むうや」、イーストゾーンには、宿泊施設「WISE OWL HOSTELS RIVER TOKYO」、ファミリーマート、ボルタリングがあるカフェ、「LATTEST SPORTS」などがあります。

前回葛西の駅高架下施設「Ff」でも実感しましたが、最近この手の施設でパンの人気ぶりがすさまじいです。

(3月末に訪れた時も行列が途絶えないパン屋だった「むうや」。四角いパン「ムー」は中がふわふわしていておいしいです)

こちらの「むうや」も常に行列しているイメージ。「ムー」と呼ばれるパンの焼き上がり時間が15分単位で表示されていてあっという間に完売に。

(大きすぎず小さすぎない「ムー」さすが絶妙なセンスです。焼き上がった匂いが店外に漂い、さらに客を引き寄せます)

最初訪れたとき40分以上並んでやっと「ムー」や「みそムー」を購入できました(そのあと「ムー」編集部に報告)。「パンとエスプレッソと」系列は最近勢力を広げていますが、おいしさはまちがいないです。

(2月に訪れた時に食べた「いちや」の抹茶ババロア850円。抹茶クリームどら250円などリーズナブルな商品も)

「いちや」はどら焼きなどが比較的リーズナブルです。そのせいか2回目行ったとき、13時すぎですでに完売の貼り紙があってクローズしていました。

ここは下町なのに、価格は丸の内か表参道と思うくらいでわりとお高めです。「LAND_A」でランチを食べたらパスタはかなりおいしかったですがドリンクとセットで1800円台に......。

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

[続き]個人的には「下町のロン・ハーマン」
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