冷えに、ダイエットに、老化防止に! 冬に食べたい食材はやっぱりコレ
生か、加熱で食べるか、目的に応じて使い分けるのがベスト
では、生のまま使用すればいいのかといえば、一概にそうともいえません。というのも生姜は冷えたまま使用したのでは体を冷やし、火を通すと体を温める作用があるからです。そして何より注目したいのは、生姜に含まれるショウガオールとシンゲロールという2つの成分。どちらの効能を重視したいかによって食べ方も変わってくるのです。
口にしてから尾を引くような辛さを感じたら、それがショウガオールの味。ショウガオールの効能で特に注目したいのが、糖化を阻止する作用。インドにある国立栄養研究所の研究によると、糖化を防ぐ効果のある食材17種類の中で最も効果が高かったのが生姜なのだそう。その阻止率は93%だったといわれています。
糖化は糖尿病や動脈硬化、アルツハイマーなどを引き起こす危険性が指摘されていますが、見た目の老化ではたるみや黄ぐすみ、シワなどを引き起こすといわれています。そのため、糖化を阻止することこそがアンチエイジングの近道なのです。
この他、ショウガオールには胃壁を直接刺激することによって血流を高めて、身体の内側から熱を作り出す作用があるといわれています。そのため、身体の内側から身体を温める作用があり、冷えを改善する効果があります。
そんなショウガオールは、皮を取り除き、蒸して乾燥させることで増加します。しかし、100度を超えて加熱すると嬉しい効能が失われてしまうことに。ショウガオールの効能を確かに得たいなら、そのような特性に注意して製造された粉末生姜を口にするのがベストです。
ただ、生の生姜は薬味としてのメリットしかないかといえば、決してそうではありません。生の生姜には強い殺菌作用や発汗作用などを持つシンゲロールが含まれていて、風邪や食中毒の予防、吐き気を抑える効果などがあるといわれています。
生の生姜を口にするとピリッとした刺激のある辛さを感じますが、これがシンゲロールの味。シンゲロールを効果的に摂取するには、生で食べることと、空気に長く触れないようにするのがポイントになります。そのため、シンゲロールの効能をしっかりと得たいなら、スライスしてできるだけ早く食べるのがおすすめです。
このように目的に応じて生姜の食べ方を変えるのがベストですが、ショウガオールとシンゲロール、どちらの効果も手っ取り早く求めたいという人もいることでしょう。特にダイエットに関する効果という意味では、ショウガオール、シンゲロールともに新陳代謝を活発にする効果などがあるので期待できます。そんな人は、すりおろしたての生姜をぬるめの紅茶や白湯に入れて飲むのがおすすめです。
なお、生姜の摂取量の目安は10g程度。しかし生姜は刺激が強いので、胃腸が弱い人はその限りではありません。また、その他の健康不安を感じる人もその摂取法や摂取量は慎重に検討する必要があります。何より過剰摂取はよくありません。生姜を摂取する場合には、ごく少量から始めて自分の体調と相談しながら、少しずつ量を増やしていくのがおすすめです。

エイジング美容研究家として雑誌やラジオ、企業のインフォマーシャルなどに出演。ウェブ、雑誌等にコラムを執筆するほか、コスメブランドの広告なども手掛ける。できるだけナチュラルな方法でできるアンチエイジング法を日々模索。豊富な自己体験を元に情報を発信中。公式サイト『アンチエイジング ジャーナル』
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。