2014/5/16

映画「野のなななのか」/大林宣彦監督インタビュー「日本は忘れることで平和を手にしようとした」

私の映画は"シネマ・ゲルニカ"

──-現代の日本人が平和だと思っているものは、まやかしだったのでしょうか。

日本人には語らないで生きてきた歴史がある。その矛盾がここにきて一気に吹き出ている。国際関係もそうだし、原発や憲法9条の問題、秘密保護法案もそうだ。

──-芸術家が歴史を描く意味はどこにあるのでしょうか。

ピカソの「ゲルニカ」は、スペインがナチス・ドイツの空爆を受けた悲惨な光景を描いたものだが、これがもしリアルな絵画だったらとっくに風化しているはずだ。キュービズムの手法で描くことで、風化せずに今でも見られている。それこそが芸術の力だ。伝えていかなければ次の戦争が起きる。私の映画は"シネマ・ゲルニカ"。風化しない手法、アートのジャーナリズムだ。


「野のなななのか」(2014年、日本)

監督:大林宣彦
出演:品川徹、常盤貴子、村田雄浩、松重豊、柴山智加
2014年5月17日(土)、有楽町スバル座ほかで全国順次公開。作品の詳細は公式サイトまで。

記事提供:映画の森

2013年2月9日、新宿バルト9ほかで全国公開。作品の詳細は公式サイトで。

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

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