2013/10/ 7

【第4回】「乳房インプラント」が保険適用に 「見た目」込みの乳がん治療体制、本格スタート

そもそも「インプラントをいれるとどうなるの?」

がん摘出手術の段階で、胸の形を整えることまで視野に入っていれば、いざという時の手術への抵抗感も減りますよね。そこで今回は、総会会長をつとめた福岡大学医学部形成外科学室教授・大慈弥裕之先生に、乳房再建についてうかがいました。大慈弥先生はアンチエイジング医師団のメンバーでもあります。

そもそも「インプラント」を入れるとはどういうことか。さわり心地の変化や、違和感などはないのでしょうか?

「人による、の一言ですね。なかには結局抜いてしまうほど嫌になる人もいれば、満足して気にならない様子の人もいます。そういった『満足度』の状況把握についても、これから学会でやっていきたいと考えています」(大慈弥先生)

インプラントを入れたいという希望者はもちろん増えていて、7月1日の保険適用を待っていた患者さんも大勢いるそう。ただ、一方で、さっそく入れ方や破れるなどといった「技術的な問題」も学会に届き始めています。

「現在は『講習のみ』だけれども、もしかするとハンズオン(実習のような形の講習)などの実地トレーニングも教育していく必要かもしれないと考えています」(大慈弥先生)

それだけではなく、学会ではエクスパンダ―やインプラントの使用について、「講習会受けていない医師は使えない、買うこともできない」としたキビシメのガイドラインをしき、再建手術の実施認定施設一覧もHPに掲載しています。こうした規制や実態把握は、学会ができたからこそ。さらに、お医者さんとの距離も近くなりそうです。

「市民講座などをお任せするなどの連携、協力体制もこれまで以上に組めますね」(大慈弥先生)

保険適用だと、全額負担から3割負担になるので経済的にも気持ちが楽になるのもうれしいですし、「いざとなったらお任せできる体制があるんだな」と安心できました。


今回お話をうかがったのは...大慈弥裕之(おおじみ ひろゆき)先生
福岡大学形成外科学主任教授・形成外科診療部長
現在、日本美容外科学会、日本抗加齢医学会の理事を務めるとともに、日本形成外科学会、日本顔蓋顎顔面外科学会、日本創傷治癒学会、日本マイクロサージャリー学会などの理事・評議員も経験している。また、NPO法人創傷治癒センター、NPO法人アンチエイジングネットワークなどの理事として社会活動にも尽力している。


アンチエイジング医師団 アンチエイジング医師団

「アンチエイジングに関する正確で、最新かつ有効な情報」を紹介・発信するためにアンチエイジング医学/医療の第一線に携わるドクターたちが結成。 放 送・出版などの媒体や講演会・イベント等を通じて、世の中に安全で正しいアンチエイジング情報を伝え、真の健康長寿に向き合っていく。 HPはhttp://www.doctors-anti-ageing.com

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

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