2013/6/19

第1回 いきなり手術なんて怖い 信頼できるドクターどこで見分けるの?

アンチエイジング医師団理事長の塩谷信幸先生(北里大学名誉教授)
アンチエイジング医師団理事長の塩谷信幸先生(北里大学名誉教授)

30代に差しかかると、若い時のようにはいかない肌の調子が気になるもの。増えていくシワやシミを見つけてはタメイキ、鏡を見ては新しい化粧品を探してみたり、ヒアルロン注射、たるみとりのような美容整形の広告が気になったり。

でも、

「診察だと思って台に上がったら手術されてしまった」
「ほくろをとりに行ったのに目の手術までされてしまった」

こんな話もあって、手を出すにはなんだかコワイ。

そこで、この連載では「アンチエイジングとはなんぞや」と「プロ中のプロ」アンチエイジング医師団の先生方から、お悩み別にお話をうかがいます。初回はアンチエイジング医師団理事長の塩谷信幸先生(北里大学名誉教授)から、適切なドクター選びについてききました。

「こんなはずじゃなかった...」と大学病院に駆け込む例も

すると、「ふつうは(クリニックに)来てすぐには手術しません」とおどろきの第一声が。それは、患者さんが本当に必要としていることを見極めるためだそうです。

一口にミタメと言ってもその要素はいろいろ。塩谷先生によると、大きく分けて立ち居振る舞い、装い、造作の3つに分かれます。表情やメイクファッションなど、自分の努力や日常のケアで解決できることもあります。それでも「解決できない」と自分で思ってしまう部分、つまりコンプレックスがあるときにはじめて、美容医療の登場となるのだそうです。

「お化粧や髪、服装で解決できるのならそれが一番いい。それからエステ、その後に美容医療が来て、まずはヒアルロン酸とか、化学性の非浸襲的な方法を使う。ヒアルロン酸は一定期間が過ぎれば元に戻りますから、いわばお化粧感覚ですね。それでも満足できなかったときに、浸襲的な方法、手術なんです。手術は効果はでるけど、副作用も続きます。リスクや安全性、それで得られる結果が期待に沿うかどうか、いろんなことを天秤にかけて決めてもらいます。医療行為というのは不可逆的なものです。手術は元には戻せない。注射だってリスクを伴います」

と塩谷先生は強調します。

最近では、「こんなはずじゃなかった・・・」と、大学病院の「美容外科後遺症外来」に駆け込む患者さんが増えているとか。

相談に行ったつもりが手術台にのせられて、気がついたら手術をされていたり、1か所だけのつもりがあれもこれもとメニューを追加され、高額の請求をされたり...。 ことほどさように難しいのが信頼のおけるドクター探し。名前だけはよく知られた「美容外科」ですが、実は「ここなら」という「お墨付き」のクリニックはとても少ないのだそうです。

自分で探しあてるには、内閣府認定の日本美容医療協会に相談したり、日本美容外科学会(JSAPS、理事長:保阪善昭)の専門医か確かめたりといった方法があります。日本美容医療協会では電話のほか、公式サイトの掲示板で、適正認定医の先生方から、無料で相談を受けられます。またJSAPSでは、「手術のプロ」の形成外科の先生しか専門医になれないそうです。


今回お話をうかがったのは...塩谷 信幸(しおや のぶゆき)先生
NPO法人 アンチエイジングネットワーク理事長
北里大学名誉教授/北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長
医療法人社団 AACクリニック銀座 名誉院長
20年以上の長きにわたり、見た目を含む様々な角度から、アンチエイジング医学と情報発信に取り組む。

アンチエイジング医師団 アンチエイジング医師団

「アンチエイジングに関する正確で、最新かつ有効な情報」を紹介・発信するためにアンチエイジング医学/医療の第一線に携わるドクターたちが結成。 放 送・出版などの媒体や講演会・イベント等を通じて、世の中に安全で正しいアンチエイジング情報を伝え、真の健康長寿に向き合っていく。 HPはhttp://www.doctors-anti-ageing.com

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

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