往年のハリウッド・ミュージカル映画といえば、フレッド・アステアとジンジャー・ロジャースのコンビによるRKO製作のシリーズがあまりに有名です。『コンチネンタル』『有頂天時代』そして『トップハット』などの傑作ミュージカルが1930年代に相次いで製作されました。
2011年、その代表作である『トップハット』が、公開から76年の時を経てイギリスで舞台化されました。イギリスの国内ツアーを経て、2012年にはロンドン・ウエストエンドでオープン。同年、イギリス演劇界で最も権威のあるローレンス・オリビエ賞で新作ミュージカル賞、振付賞、衣裳デザイン賞を受賞し、1年半のロングランとなりました。その後、再びイギリス国内ツアー公演が開始され、この公演がそのまま日本へやってくることになりました。
見どころは、迫力満点のタップダンス
この作品の特徴は、やはりダンス。映画版のアステア&ロジャースのコンビによるダンスシーンは、溜息が出るほどエレガントですが、それを舞台上で見事に再現しています。また、スタイリッシュな燕尾服にシルクハット(トップハット)姿のキャストたちが魅せる迫力満点のタップダンスなど、チームワークのとれたパワフルなダンスシーンが見所です。
また、名曲「ホワイト・クリスマス」などで知られるブロードウェイの人気ソングライター、アーヴィング・バーリンによる音楽もこの作品を語る上で欠かせません。映画版で使用された楽曲に加えて、バーリンが生涯で書いた1200以上ものヒット曲の中から厳選した10数曲を追加し、生のオーケストラが奏でるダイナミックで心地よいリズムが観客を魅了します。
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