辛酸なめ子の東京アラカルト
漫画家・コラムニストの辛酸なめ子さんが注目する東京のお出かけスポットやイベントを紹介。辛酸さんならではの視点、現地でのエピソードに思わずニヤッとしてしまいます。
2022/11/ 6

【辛酸なめ子の東京アラカルト#66】ファスナー意識が高まる秋葉原の穴場施設

ファスナーといえばYKK。世界トップシェアを誇るリーディングカンパニーです。そのYKK株式会社のイベント施設「ものづくり館 by YKK」(東京・秋葉原)では、さまざまな手芸や創作体験をすることができます。

靴ひもを結ぶわずらわしさから解放されるため

予約制だったので、平日に訪れてみました。隣にはYKKの立派なオフィスビルが。壁面の柄がファスナーのエレメント(かみ合う部分)に見えてきます。

(「カフェ・ボンフィーノ」の抹茶ラテは450円。アイスコーヒーやエスプレッソは350円でわりとリーズナブルです)

まずYKKのビルの1階の「カフェ・ボンフィーノ」に入ってみました。こちらで抹茶ラテを飲みながら、本棚をチェック。「ファスナーのひみつ」「YKKの流儀」などの本も自由に読めるようになっていました。

昭和通り沿いとは思えない落ち着き感で、秋葉原で穴場のカフェかもしれません。ここでファスナー意識を高めつつ、裏側にある「ものづくり館 by YKK」へ。

(「ものづくり館 by YKK」の入り口。貸切の予定がない時は無料で見学可能だそうです)

1階から3階まであり、手芸・工作のワークショップなどが行われたり、ファスナーなどについて学べる展示があったりします。

(「ものづくり館 by YKK」の1階ではワークショップを受けられます。色とりどりの素材にテンションが高まります)

ちょうど2階では、ファッション系学生と思われる見学者がスタッフの説明を聞いていました。スタッフの方の紺のジャケットには、前面とポケット、胸ポケットなどにしっかりファスナーがついていました。

まずはファスナーの歴史の展示から。1891年、アメリカ人のウィットコム・L・ジャドソンが靴ひもを結ぶわずらわしさから解放されるために考えたものがファスナーの起源だとか。チェーンがスライダーによってかみ合う、という仕組みでした。

(巨大なファスナーの模型で、各部の名称などをチェック)

説明を拝聴したところによると、元祖ファスナーは硬くて閉開しにくかったため、改良が重ねられ、YKKが大量生産を可能にしたのが1960年頃。世界のトップシェア企業にまでなりましたが、今は中国産のファスナーにも押されているので、負けないように画策しているところだそうです。

 

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

[続き]日本の技術への夢や希望が渦巻く最先端ファスナー
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