経口補水液はシーンによって選ぶ
経口補水液を選ぶ際のポイントは「塩分濃度」。実は、経口補水液と一言でいってもさまざまな種類があり、それぞれ塩分濃度に違いがあるのです。
先の実験を監修した谷口英喜先生は「基本的には脱水の程度に合わせて選ぶといいでしょう」と指摘します。たとえば大量発汗時や発熱、下痢、嘔吐に伴う中等度以上の脱水時といった「非日常的」な場面では塩分濃度の高いもの。そこまでいかない「日常的」な場面――たとえば運動時や入浴後、起床後、欠食時などにより起きる脱水症状には、塩分濃度の低いものが適しているそう。
活動強度に応じた水分補給手段の選び方
最近ではコンビニやドラッグストアでも手軽に購入できるようになった経口補水液。定番商品の中で塩分濃度の高いものとしては、たとえば大塚製薬工場の「OS-1(オーエスワン)」があります。
塩分濃度の低いものでは、味の素の「アクアソリタ」がおなじみ。塩分量はスポーツドリンクよりもやや多く、一般的な経口補水液よりも少なめです。
ネオマーケティングが2017年7月に発表した熱中症に関する意識調査結果(20代~70代の男女1200人が回答)によると、「経口補水液を知っている」という人は全体の83.5%にのぼりました。しかし一方で「熱中症予防として飲んだことがある」と回答したのは30.5%にとどまっていました。
「むやみに経口補水液を飲むのではなく、何かあればすぐに経口補水液を飲める環境を作っていくことが社会全体として必要だと考えています」と、谷口先生。現状では未経験者も多いようですが、効率よく必要な水分&塩分を摂取できる経口補水液は、今後より注目を集めていきそうです。
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。