2014/11/17

映画「フューリー」/ブラッド・ピット&ローガン・ラーマン会見レポ 「人間はこれほど進化しても、世界中で戦争が絶えない」

米戦争映画「フューリー」主演のブラッド・ピット、ローガン・ラーマンが2014年11月15日、東京都内で記者会見した。第二次世界大戦末期のドイツを舞台に、戦争の理不尽と過酷さを描いた作品。ピットは「人間はこれほど進化しても、世界中で戦争が絶えない。戦争の愚かさや矛盾を表した」と語った。

ピットの来日は10回目、ラーマンは3回目。作品の舞台は1945年4月のドイツ。百戦錬磨の米軍指揮官ウォーダディー(ピット)が、ノーマン(ラーマン)ら部下4人を率い、抵抗するドイツ軍と死闘を繰り広げる。戦車の実物を用いた迫力ある戦闘シーン、戦地に生きる市民との出会いなどを通し、兵士5人の強い絆、戦争の無常さをリアルに映し出す。

戦車の中はとにかく狭い

──完成した作品を観た感想は。

ピット:編集作業もずっと見て、作ろうと思っていた映画ができた。生々しく、臨場感あふれ、兵士にの気持ちになれる作品。精神的、肉体的にも過酷な状況を表現できた。とても普遍的な物語だと思う。

ラーマン:画面の中の自分を観るのは慣れず、恥ずかしい時もあった。自分にとって「フューリー」は特別。これほど夢中になって作った映画はない。(共演者らと)一緒に4カ月間生活し、その間ずっと仕事だった。100%の力を注いだ。窮地に追い込まれながら頑張った。これほど誇りに思える作品はない。

──戦車の中の撮影はどうでしたか。

ピット:戦車は人が住むように作られていない。居心地良さは考えられていない。動く時に指や足をけがする可能性もある。とにかく厳しく音もすごかった。男5人が入ったので空気も新鮮とはいえず、ひどく臭った。

撮影前に訓練を経て乗り込んだ。われわれ5人に30トンの戦車をまかせてもらい、慣れてくると細部も分かってくる。実際に戦った兵士はあの中で食べて、寝て、トイレもすませていた。大変な苦労があったんだな、と実感させられた。

ラーマン:(戦車は)時には臭いがきつかったが、我が家のように思えた。初めて見た時「こんなもの見たことない」と圧倒された。とにかく中は狭い。「どうやって撮影するのか」と最初は不安になった。きちんと任務を果たせるよう毎日訓練した。

撮影開始後は5人それぞれ役割が決まり、全員が操縦できるようになった。外のシーンは本物を使い、エネルギーを保って演技できたが、難しかったのは戦車の中。セットを準備するのに2時間ほどかかった。俳優同士協力しながら撮影した。

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

[続き]われわれは大事にしているものを一瞬忘れなければ生き延びられない
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