われわれは大事にしているものを一瞬忘れなければ生き延びられない
──物語とキャラクターのどこに魅力を感じたのでしょう。
ピット:5人は訓練を重ね、家族のような絆を結べた。この作品はリーダーシップを見る作品だ。激戦の中で部下の士気を高め、厳しく素早く決定し、確信を持たなければならない。迷いもあるが、部下の前で弱さを見せてはならない。発散する場所はどこか。精神的に面白い研究だと感じた。強い指揮官は時に難しい決断もしなければならない。部下には愛情を持って接する。そんな部分がよく描かれたと思う。
──「理想は平和だが、歴史は残酷だ」という一言がある。どんな思いを込めましたか。
ピット:非常に大事なせりふだ。退役軍人をインタビューする中で聞いた。映画が訴えるのは「家のルールや正義感は戦地や自然の中では通用しない」こと。自分の家で「人間のあるべき姿」を考える時、人は理想や平和を思うだろう。しかし、これほど人が進化しても、世界中で戦争が絶えない。
戦地にいた兵士が翌日はともに食事し、ビールを飲んだりする。理不尽なことだ。そんな戦争の愚かさ、矛盾を表したのが、あのせりふだ。「われわれは大事にしているものを一瞬忘れなければ生き延びられない」という意味なんだ。
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