中国国内では上映禁止。検閲制度は変わるのか?
──監督は「20代以降の若い世代が繊細で、過敏になっている」と感じるとのことですがそうだが、彼らが社会の中心的存在になった時、中国はどう変わると思いますかうか。
私より若い世代が社会の中心になった時、非常に重要な変化が起きていると信じたい。若者は今、自我と状況のギャップに苦しんでいる。自分の置かれた状況を自覚できるかどうか。彼らが客観的に自我と状況を見られるようになった時、中国の社会ももっと自由になると思う。
もちろん自由でありたいのなら、自我が独立することが重要だ。それは若い世代に限らず、中国全体にいえることだ。中国を文化として見ることが必要だ。
──変化は急激に訪れるでしょうかると思うか。
ゆっくりだと思う。今の若い子の中には、中年よりずっと保守的な子、ずっと頑固な子もいる。そう早くは変わらないだろう。「文化大革命の時代が良かった。貧富の差もなく、今よりいいじゃないか」という子もいる。ちょっと短絡的かもしれないね。
──中国国内では上映禁止になったと聞きましたいた。中国の検閲制度が、表現の自由、映画芸術に歩み寄る兆しはあるのでしょうかるか。また、作る側が検閲を切り抜ける技術を会得しているということはありますかを会得しているのか。
作り手として不可解に感じる部分もあるけれど、もの作りに対する当局の姿勢は前進したと思う。作り手には当局と交渉する技術はない。経験を積めばうまくなるものでもない。
国家からみれば、私たち個人は非常に小さな存在だ。比較にならない。ものを作る自由を私は尊重したいし、創作の自由を意識の中から捨てたくない。意志力といおうか。それだけだ。ほかの方法はない。
この問題については、言葉で説明するのが最善と思えない。一番望ましいのは、自分の作品の中に、自分の欲する自由を反映させること。作り続ければ市民も国も見てくれる。それで私の主張が伝わると思う。
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。