辛酸なめ子の東京アラカルト
漫画家・コラムニストの辛酸なめ子さんが注目する東京のお出かけスポットやイベントを紹介。辛酸さんならではの視点、現地でのエピソードに思わずニヤッとしてしまいます。
2020/10/10

渋谷最先端のおしゃれ施設、MIYASHITA PARK。【辛酸なめ子の東京アラカルト#43】

施設内を歩いて気になったお店は......

(「キットカットショコラトリー」には黒鍵がキットカットを模したピアノがありました。奥にはカフェも)

「キットカットショコラトリー」 時間制でオリジナル キットカット作りも体験できるようです。カフェコーナーがあってちょっと穴場かもしれません。

「Jamba」 カリフォルニア発のフルーツジュースとスムージーのお店でいつもすごい並んでいます。渋谷でフルーツのビタミンをとりたい健康志向の人が多いのでしょうか。

「シロティ(#FFFFFFT)」 9月30日までの期間限定だった白T専門店。お客さんたちが真剣に白Tを選んでいて、渋谷の人はおしゃれ意識が高いです。

(鼻のアブジェが目立つ「NOSE SHOP」。海外の珍しいフレグランスが並んでいました)

「NOSE SHOP」 店頭の巨大な鼻のオブジェが目を引き、現代アートのギャラリーかと思ったら香水のお店でした。海外のフレグランスブランドが多く、説明も「あなたの肌と共生する香水」「やがて無人島の深い森の奥に流れる野性的な香りたちへと変化を遂げる」などポエム的な文言が。

(「パンとエスプレッソとまちあわせ」のまちあわせのエッグサンド、900円はトリュフがかかっていて高級感が)

飲食では、最近全国に進出している「パンとエスプレッソと」系列の「パンとエスプレッソとまちあわせ」もかわいい内装で卵料理がクオリティ高かったです。この店のある2階は「エッグスラット」と「パンとエスプレッソとまちあわせ」が両側にあり、どちらも卵料理を推しています。

この偶然の符合はいったいに何かと考えたのですが、クリエイティブな何かが生まれる卵の状態や、ポテンシャルを秘めた若者たちの象徴なのかもしれません。

(館内のゴミ箱すらおしゃれです。統一感がある施設です)

他にもハイセンスなセレクトショップやステーショナリーの店などたくさんありました。オリンピックのインバウンドで今年かなり盛り上がりそうな施設でしたが......来年に期待します。

屋上は公園になっていて、多目的コート、クライミングウォール、スケートボードパークや広場などがあり、盛り上がっていました。

そういえば建物内にはダンススクールもあり、全体的にスポーツがフィーチャーされているようです。全体のファッションのテイストや内装のストリート感から、ここはスポーツが得意な方々向けの施設なのかもしれない、と思いました。そこはかとなくアウェイ感を覚えた理由がわかりました。

(スケボーが並ぶ「インスタント渋谷ストア」。スポーツ意識が高い人が集まる施設かもしれません)

いつか「MIYASHITA PARK」で緊張しない日は来るでしょうか......。体を鍛えて精進したいです。長い通路を往復するだけでも足腰が鍛えられる施設です。

辛酸なめ子

東京都生まれ、埼玉県育ち。漫画家、コラムニスト。武蔵野美術大学短期大学部デ ザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。近著に、『ヌルラン』(太田出版)、『タピオカミルクティーで死にかけた土曜日の午後』(PHP研究所)『スピリチュアル系のトリセツ』(平凡社)『愛すべき音大生の生態』(PHP研究所)などがある。

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

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