辛酸なめ子の東京アラカルト
漫画家・コラムニストの辛酸なめ子さんが注目する東京のお出かけスポットやイベントを紹介。辛酸さんならではの視点、現地でのエピソードに思わずニヤッとしてしまいます。
2020/9/28

逆ジャンクの方向性が新鮮なコメダのヴィーガンカフェ【辛酸なめ子の東京アラカルト#42】

ヴィーガンな食材でピースフルな境地に

 

何度か行って食べたのは、豆腐フリット(堅豆腐から上げ)や、あぶりsoyミートレモンサンド、大豆ミートのボロネーゼ、米粉ポテトフライなど。だいたいドリンクと一品で1800円前後になります。

あぶりsoyミートはスパイシーで本物の肉と思ってしまいそうなリアルさ。豆腐フリットは味が濃いめだったので、お酒のおつまみに良さそうです。

(あぶりsoyミートレモンサンドは1180円。わりとボリュームありました)

(豆腐フリットは豆腐がふわっとしていました。ディップがついてますが本体も味が濃いです)

大豆ミートのボロネーゼは、昔ながらの喫茶店のスパゲッティのような味で、濃いめだから大豆ミートとリアル肉の判別がつかなくて、肉好きの人にも満足いただけそうです。

(リアルな肉にしか見えません。大豆ミートのボロネーゼは1240円。麺が太めでなつかしい味でした)

他にも大豆ミートのバーガー、サラダ、Soyハムカツなど良さそうなメニューが。Soyハムカツの説明には「一見ジャンクですが超ヘルシーです」と、ありました。もちろんハムは大豆ミートで、罪悪感抱かず食べられるものばかりです。

店員さんに「肉と比べてもわからないです」と感想を伝えたら「ありがとうございます」と答えてくれました。

私は過去は普通に肉を食べていて、特に20代は肉至上主義だったからこそ、リアル肉と比較していますが、もともと肉を食べない人には大豆ミートはどのように受け止められているのか気になります。肉っぽい形態や食感にとらわれているのなら、まだ肉欲から卒業できていないのかもしれません。

ただ、こちらのお店はヴィーガンな空気でお客さんも穏やかな気がします。ひとりで来て仕事している人も散見されました。

(今の時代だからこそ安心してリラックスできる、仕切りありのひとり席。仕事しやすそうです)

クラシックのBGMと、仕事している方々のキーボード音のハーモニーが......。やはり電源とWi-Fiがあるとつい仕事欲が刺激されてしまいます(混んでいるときの長時間の仕事はNGのようです)。穏やかな空間で仕事がはかどりました。

肉食だとギラギラした感じで野心や仕事への欲求が高まりそうですが、ヴィーガンフードだと静かに集中できる気がします。そんな食生活が仕事に与える影響も体験できるお店です。

辛酸なめ子

東京都生まれ、埼玉県育ち。漫画家、コラムニスト。武蔵野美術大学短期大学部デ ザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。近著に、『ヌルラン』(太田出版)、『タピオカミルクティーで死にかけた土曜日の午後』(PHP研究所)『スピリチュアル系のトリセツ』(平凡社)『愛すべき音大生の生態』(PHP研究所)などがある。

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

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