ドラマ「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」に出演中の石原さとみさん
石原さとみさん主演のテレビドラマ「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」(日本テレビ系)で注目を集めている"校閲"という仕事。出版物などの誤字や矛盾、事実誤認を正す"地味"だけど、責任のある仕事です。
しかし、ドラマでも描かれているように校閲者に"見逃し"はつきもののよう。「本当にあった校閲エピソード」を集めてみました。
さすが校閲者! お手柄エピソード
2016年10月31日発売の「編集会議」では、編集者・ライター100人にアンケートを実施し、実際の"校閲ガール(ボーイ)"の実態について調査しています。
その調査によると、校閲を専門にする担当者を経ず、編集者やライターが自分で校閲したり、社内に複数人で行ったりして、記事を公開しているケースが6割を超えています。
また、自分で校閲を行っている人の約54%は自分の校閲に「自信がある」と回答。その自信を裏付けるように「校閲の甘さから危機的な状況に陥った経験がある」と答えた人は約28%に留まりました。
しかし、「編集会議」(2016年春号)にはヒヤッとする校閲エピソードも多く寄せられています。どれも校閲の"地味なスゴさ"が伝わってくるエピソードを紹介します。
最初に紹介するのは、校閲者の目が光り事前にミスを防いだ"お手柄エピソード"です。
――"ある企業の広告キャンペーンについて掲載する際、「白い犬のお父さんシリーズ」のはずが、「白いお父さんシリーズ」となっていた。入稿前に気づいたため大事には至らず。"
白い犬のお父さんと白いお父さんでは、大違い。1文字の見逃しが命取りになる校閲の仕事の緻密さがよくわかります。
―― "作家さんから届いた小説原稿に目を通していると、序盤で殺されていたおばあさんが、また殺されていた。きちんと校正していてよかった。"
登場人物が多い長編小説を読み進めていると、序盤の登場人物を忘れることがありますね。「この人なんだったっけ?」と戻って同じ人が殺されていたら......、とんでもない謎を生んでしまいます。校閲者は、誤字・脱字だけなく「矛盾」も見逃せません。
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。