なかなか眠れない、夜中に目が覚める...そんな経験はありませんか?
厚生労働省によると、日本人の成人の5人に1人、約1500万~2000万人が睡眠に困っていると推計しています。眠りに関する問題はもはや「国民病」なのかもしれません。
オルニチン研究会は、2015年10月29日発表の「睡眠・目覚め改善に関する研究」で、オルチニンで睡眠が改善することを発表しました。協和発酵バイオ・学術研究企画室の西村明仁氏に、"本当のところ"を聞きたいと思います。
南極隊員でも改善効果
「オルニチン」は、肝臓で活躍するアミノ酸のこと。肝臓では有害物質であるアンモニアの「解毒」を担い、肝機能改善を助けています。オルニチン=肝機能改善というイメージが強いですが、睡眠にどう影響を及ぼすのでしょうか。
「もともとは研究で分かったというより、オルチニンを飲む方々から、眠りが良くなったとか、朝スッキリ起きられるようになったなどの意見が多くあったために、調べてみようということになったんです」(西村氏)
こういった意見を踏まえ、平均年齢52歳、計14人の健常な中年層の男女を対象に、オルニチンを摂取するグループとプラセボ(偽薬)を摂取するグループに分けて3週間ほど実験をしました。被験者の中には、南極隊員もいたそうです。
「南極は季節によっては一日中夜しかないような環境で、体内時計も狂いやすく、また激務のため疲れも溜まりやすい環境です。眠りに悩みを抱える隊員もいます。この実験は、第52次南極地域観測隊員26人に4週間ほどオルニチンかプラセボを毎日飲んでもらい、睡眠の状態を分析しました」
結果は、オルチニンを摂取したグループがプラセボのグループに比べ、疲労や眠気、だるさが改善する可能性が示されました。もちろん南極隊員にも改善結果が出ています。
さらに、西村氏はこう続けます。
「気持ちよく目覚めてすぐに覚醒モードになるため、朝起きてもぼーっとしていつまでもベッドから出られない、できることなら二度寝したいなどの生活者の課題にオルチニンによって改善する可能性があります。また短時間で良質な睡眠を得ることができるので、被験者のなかには寝覚めの時間が少し早まった方もいらっしゃいます」
入眠を求めていろいろと試す場合、結果として目覚めに影響するケースも多いようですが、その点、両方を改善する可能性があるのもオルニチンの特徴とのこと。
眠りにお困りなら、一度試す価値はありそうです。
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。