4月(2015年)から、牛乳が2~5%程度値上げするって、知ってましたか? 普段から手に取るものだけに、家計に与える負担は大きいはず。でも、どうして値上げすることになったのでしょうか。酪農の全国組織である中央酪農会議(東京都千代田区)の内橋政敏事務局長に、値上げの理由を聞いてきました。
「酪農に全部かかわってきて、影響を受ける」
内橋さんによると、値上げの一番の理由は「生産コスト」。コストの半分くらいは、牛の「エサ代」ですが、輸入の飼料が多いため、牧草やトウモロコシなどの価格が円安も加わって高騰するようになったそうです。
円安以外にも、近年、口蹄疫の流行や東日本大震災の発生、猛暑など、酪農家にとって厳しい情勢が続いています。「しかし乳価(牛乳や乳製品の原料となる生乳の価格)の改定は1年に1回なので、そういった変化にすぐ対応できる仕組みになっていないのです」。それで、このタイミングの値上げなんですね。
意外なところでは、建築資材の高騰も影響しているとか。「いまは牛舎を建てるにも、かなりコストがかかっています。世の中全般で言われているように、燃料代や電気料金の値上がりなど酪農に全部かかわってきて、影響を受けるんですよね」。
以前から続く、後継者不足も悩みのタネ。高齢になって辞めてしまう人もいれば、働き盛りでも労働に見合った収入を確保できずに、廃業することもあるんだとか。先行き不透明のなか、「『後継者』がいても、継がせない」人もいるそうです。
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