【ブーム調査隊】起爆剤は「ブラックサンダー」 仁義なき「義理チョコ」ビジネス2015
バレンタインデーが今週末(2015年2月14日)に迫りました。毎年話題になるのは「義理チョコ」の扱いですが、今年は土曜日にあたるため、「無理に用意しなくていい!」と、胸をなでおろしている人は多いのではないでしょうか。
その一方で、「義理チョコ」を取り巻く状況は、時々刻々と変化しています。そこで今回は、新作チョコレート商品や、「義理」を意思表示するニューアイテムなど、最新義理チョコビジネスを紹介していきたいと思います。
定番チョコのラグジュアリー化
インターネット調査会社「マクロミル」が20~40代の女性500人に行った「バレンタイン実態調査2015」(15年1月実施)によると、チョコレート予算の平均金額は4986円。2年前(13年)の調査では4155円だったので、831円アップになります。
同調査では「本命チョコ」の1人あたり予算が2074円なのに対し、「男友達への義理チョコ」は1377円、「仕事関連の義理チョコ」は2499円。本命は義理より高価格なのでは――というイメージがありますが、職場では少し事情が違うようです。「お世辞」や「みえ」を差し引いても、義理チョコの存在価値が高まっていると判断したのか、チョコレート各社は続々と「義理チョコビジネス」に参入しています。
なかでも目立っているのは、有楽製菓の「ブラックサンダー」でしょう。1個30円(以下、特記がなければ税別)という低価格を逆手に取り、13年から「一目で義理とわかるチョコ」をテーマにバレンタイン商戦を展開。14年からは期間限定の「義理チョコショップ」(東京都中央区、15年は1月15日~2月15日)もオープンし、イメージ定着を図っています。
そんな「開き直り」ともいえるブラックサンダーの戦術ですが、今年は少し高級路線へとシフトしています。義理チョコショップの「生ブラックサンダーラグジュアリー」は、人気チョコレート専門店「ミュゼ・ドゥ・ショコラ テオブロマ」(渋谷区)土屋公二シェフ監修の商品。3本入り800円の価格設定に加え、1日30個限定(整理券制)という希少性から、「義理」と呼ぶにはもったいない付加価値があります。
同じく低価格チョコの雄、チロルチョコが生みだした大型新人も見逃せません。その名も「チロルチョコ(ロイズ)」(2月5日発売)。北海道の人気スイーツ店「ROYCE'(ロイズ)」が提供した原料を使ったコラボレーション商品ながら、参考価格38円という低価格を実現しています。
また今シーズンは「DARS(ダース)」(森永製菓)が表参道ヒルズ(渋谷区、14年12月12日~15年3月15日)、「Meltykiss(メルティーキッス)」(明治)が阪急百貨店うめだ本店(大阪市北区、14年12月3日~15年2月28日)にポップアップショップを展開。東京・名古屋・京都に常設展開する「キットカット ショコラトリー」(ネスレ)とあわせて、定番チョコの「ラグジュアリー感」が強められつつあります。
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。