園子温監督最新作「TOKYO TRIBE」の海外メディア向け記者会見がこのほど、東京・有楽町の日本外国特派員協会で開かれ、出演俳優の鈴木亮平、YOUNG DAIS、清野菜名、園監督が出席した。
近未来の"トーキョー"を舞台に、ストリート・ギャングが大暴れする作品。井上三太の人気漫画を映画化した。ほぼすべてのせりふがラップで構成された意欲作だ。園監督作品としてはカナダ・トロント映画祭への出品が5年連続で決まっている。
ラップ部分の演出について、園監督は「アドリブはほとんどない。台本の中から『ここはせりふにしようか。ここはラップにしてみようか』とやっていたら、どんどんラップの部分を増やしたくなってきた」と説明。新宿や渋谷、池袋などにいたラッパーたちを起用し、プロの俳優たちと演技を合わせていったという。
考えたものを見せつけてやれ
演出の厳しさで知られる園監督。主演の一人である鈴木は「監督は現場で熱くなりすぎて、俳優の質問に答えてくれない。俳優と監督の間で無言のバトルが起きる。『考えたものを見せつけてやれ』と思ったら、シーンが突然追加される。そんなスリルが刺激的だった」と語った。
一般オーディションを勝ち抜いて出演を決めたYOUNG DAISは「演技は初めて。最初は一生懸命打ち込むだけで、毎日脚本を読んで(演じた)海(カイ)になることにベストを尽くした。後半には慣れてきて、監督が僕にチャンスとアドバイスをくれた」と振り返った。
ヒロインを演じた清野は園監督について「オーディション前は怖い人と聞いていた。撮影ではアクションで失敗しても励ましてくれた。最初と現場では印象が変わった」と話していた。
園監督は出演者全員がノースタントでアクションに取り組んだことを強調。アクション女優志望という清野は、監督に求められてその場でバク転を披露。会場を沸かせていた。
「TOKYO TRIBE」(2014年、日本)
監督:園子温
出演:鈴木亮平、YOUNG DAIS、清野菜名、佐藤隆太、染谷将太、でんでん、窪塚洋介、竹内力
2014年8月30日(土)、新宿バルト9ほかで全国公開。作品の詳細は公式サイトまで。
記事提供:映画の森
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。