水嶋ヒロ、3年ぶりの映画復帰作「黒執事」。枢(とぼそ)やなの同名人気コミックの映画化だ。原作は発行累計1600万部(海外分含む)を超すヒット作。水嶋は「美しく完ぺきな」執事に扮している。
舞台は近未来、東洋・西洋文化が混在する都市。巨大玩具メーカー総裁の幻蜂清玄(剛力彩芽)は、心に深い傷を負っている。一族の密命を帯び、女であることを隠し、男装の令嬢として生きる清玄。傍らには教養から戦闘力まで完ぺきな執事・セバスチャン(水嶋)が寄り添っている。二人は互いの命と引き替えに、絶対的な主従関係を結んでいた。
ある夜、街で奇妙な死体が発見される。ミイラのようにひからび、原形をとどめぬ男の姿。そばには悪魔のタロットカードが落ちていた。さらに被害は拡大し、犠牲者は大使館員ら7人に。姿の見えない犯人に、世界が不安の渦に巻き込まれる。幻蜂とセバスチャンは謎の解明に乗り出すが──。
食事制限で体重を60キロ以下に
見どころはなんといっても、水嶋3年ぶりの演技だろう。「万能にして完ぺき。忠実にして無礼」。外見、能力とも非の打ちどころがないが、冷たい性格だけが玉に傷。口ぐせはご主人様の命に発する「御意(ぎょい)」。いかにも漫画的で、浮世離れしたキャラクターをどう消化するか。
まずは肉体改造。食事制限で体重を60キロ以下に落とした。さらにアクション。撮影開始の4か月前からトレーニングを始め、アクション監督と話し合いを重ね、立ち回りに完全を期した。立ち姿、台詞回し、身のこなしまで、水嶋のこだわりが伝わる人物造形だ。3年ぶりの演技でもオーラは色あせていない。
物語は映画版の完全オリジナル。「NANA」の大谷健太郎、「TIGER&BUNNY」のさとうけいいちが共同でメガホンを取った。豪奢で退廃的、無国籍な世界を、凝った衣装、セット、特殊映像が彩っている。
「黒執事」(2013年、日本)
監督:大谷健太郎、さとうけいいち
出演:水嶋ヒロ、剛力彩芽、優香、山本美月、大野拓朗
2014年1月18日(土)、新宿ピカデリーほかで全国公開。作品の詳細は公式サイトまで。
記事提供:映画の森
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。