2013/9/15

映画「凶悪」/山田孝之「予定がある人は要注意。友人関係が壊れても責任は取りません」

9月21日公開「凶悪」の完成披露試写会が4日、東京都内で開かれ、主演の山田孝之、ピエール瀧、リリー・フランキー、池脇千鶴、白石和彌監督監督が出席した。実際の凶悪事件を元にした物語に、白石監督は「骨太な作品。感情に素直に観てほしい」と語った。

「凶悪」は死刑囚の告発をきっかけに、雑誌記者が未解決連続殺人事件を調査。犯人逮捕への道筋をつける物語。雑誌「新潮45」編集部編のノンフィクション「凶悪 ある死刑囚の告発」を映画化した。記者を演じた山田、死刑囚役の瀧、犯人役のリリーの熱演が光る作品だ。

リリー・フランキー「犯人が僕とピエール瀧って。俺らで大丈夫?」

「人間の二面性を浮き彫りにした脚本。惚れ込んだ」と話した山田。迫力ある暴力描写、人間の心の闇に迫るストーリーに「映画を見終わった後、予定がある人たちは楽しめなくなります。友人関係が壊れても責任は取りません」とアピールした。

また、異色の顔合わせの実現について、白石監督は「見たことのない役で躍動してもらいたかった。山田さんは凶悪犯やコメディーの印象が強かったので、正義をもって突き進む役が見たかった。瀧さんとリリーさんはいい男で色気のある役が多い。それをぶち壊した凶悪ぶりが見たかった」と語った。

これに対し、リリーは「犯人が僕とピエール瀧。監督はふざけているのか? 俺らで大丈夫なのか? と思いながらも、なんとか形にしてくれた」と話し、瀧は「ヤクザで死刑囚。(演じた)須藤の気持ちにはなれません、と伝えたが、監督の熱い心意気を感じて出演を決めた」と語った。

山田演じる記者の妻を演じた池脇は、壊れゆく夫婦の演技に「まったく笑いはなく、地獄の2日間だった。自分の親には勧めにくいけれど、周りの評判もよく幸福です」と振り返った。さらに瀧は「井戸を掘って奥を見せつける映画は最近なかった。観終わった後、『あれは何だ?』と思ってディスカッション(議論)するのが楽しい映画」と説明した。

最後に白石監督が「なかなか骨太な映画がないので、ずっとやりたかった。映画の力そのものを信じて、ハッピーにならないけれど面白い、と言われるものを作った。感情に素直に観てほしい」と呼びかけた。


「凶悪」(2013年、日本)
監督:白石和彌
出演:山田孝之、ピエール瀧、池脇千鶴、リリー・フランキー
2013年9月21日、新宿ピカデリーほか全国公開。作品の詳細は公式サイトまで。

記事提供:映画の森

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

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