2013/3/13

映画「セデック・バレ」/台湾の大規模抗日蜂起・霧社事件を映画化 監督が語る、安藤政信、ビビアン・スーとの撮影秘話

「台湾には"虹色の価値観"がある。政治・経済的理由で壊さないで」

──台湾には(戦後大陸から渡ってきた国民党系の)外省人、(戦前から台湾に住んでいた福建系の)本省人、原住民とさまざまな人々がいて、価値観も多様ですね。作品にはそんな現状に関連したメッセージを込めたのでしょうか。

もちろんです。台湾は最も"混乱した価値観"がある場所だと思う。多様な価値観を大事にしつつ、さまざまな民族が暮らしています。台湾の人々は過去100年、体制が変わるごとに新たな秩序を見出してきた。私は前向きに、より良き方向へ、ロマンをもって物事を考えたい。

今の台湾には"虹色の価値観"がある。それぞれのグループが個性やカラーを持ち、台湾独自の価値観を形作っています。台湾の価値観が政治や経済的理由で破壊されたり、影響されることは避けてほしいですね。


編集部注:台湾では先住民族の呼称として「原住民」を使用している。中国語で「先住民」と表記した場合、「すでに滅んだ民族」の意味になるため。台湾憲法も「原住民」と規定している


「セデック・バレ」(2011年、台湾) 第1部「太陽旗」(144分) 第2部「虹の橋」(132分)
監督:テイラー・ハックフォード
出演:リン・チンタイ、ダーチン、安藤政信、マー・ジーシアン、ビビアン・スー、木村祐一、ルオ・メイリン、ランディ・ウェン
2013年4月20日、渋谷ユーロスペース、吉祥寺バウスシアターほかで全国順次公開。作品の詳細は公式サイトで。

記事提供:映画の森

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

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