2013/3/13

映画「セデック・バレ」/台湾の大規模抗日蜂起・霧社事件を映画化 監督が語る、安藤政信、ビビアン・スーとの撮影秘話

「当時の背景や制度については、膨大な資料で調べました」

──霧社事件について知った時、監督はまず何を感じましたか。

台湾では小中学校の教科書に載っていますが、説明は2~3行程度。たまたまテレビで台湾原住民のニュースを見て、霧社事件を描いた漫画を読みました。その後、当時の背景や制度を膨大な資料を通して調べたんです。

(作品に出てくる「文明」と「野蛮」の概念について)一般に文化の力が強いことが「文明的」で、弱いことが「野蛮」だとされ、世の中には文化の強弱が存在します。強い文化に対峙した時、どう衝突を避け、乗り越えるか。力で文化を強制してはなりません。

たとえば私の服が時代遅れで、かっこ悪ければ批判しても構わない。しかし、私の存在や信仰を否定してはだめです。他者の価値観や信仰を否定した時、衝突が起きるのではないのでしょうか。絶対的に良い文化などない。異なる価値観を認め、真摯に向き合った時、互いを理解できるのではないか、と思うのです。

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

[続き]「ビビアンはノーギャラ。現場でも和気あいあい」
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