寒さも深まり、温かいものが恋しくなる季節。数年前に一気に広まった少量タイプ魔法瓶「サーモマグ」に続き、2012年の冬は、「スープ専用ボトル」に注目が集まっている。
数年前から「スープ専用ボトル」の取り扱いを始めた東急ハンズ渋谷店では、今年、売上前年比200%以上となる大ヒットを記録している。購入者の中心は、20代~50代の女性だ。同店の販売促進担当者も「旦那さんの分などご家族用に1人で複数個購入される方も目立ちます」と、話す。秋口から設置されている特設コーナーには、30~40種がバリエーション豊かに並び、毎日多くの人で賑わっているという。
魔法瓶メーカーでも人気の波は止まらない。タイガー魔法瓶は、2011年9月に女性が使いやすい間口の広いステンレスカップ「nooma(ヌーマ)」を一部ルートで発売していたが、ここ最近のスープ専用ボトル人気を受け、今年9月には"スープ専用"として「ステンレスカップ(スープカップ)」を本格発売した。食べやすい「広口カップフォルム」や、すっきり収納できる「折りたたみスプーン」など、スープに特化した工夫で評判は上々だ。
スープで小腹満たし おでんでランチスタイルも一新
スープ専用ボトルの魅力はなんといっても、温かいものを手軽にお弁当に追加できる便利さだ。スープはもちろん、カレーやシチュー、おでんなど温かいものを手軽に持ち運ぶことができるので、これまでにない新しいランチスタイルを楽しめる。また、スープバーなど専門店が増えたことで「テイクアウト用のボトルとしても重宝されている」(タイガー魔法瓶 広報)ことや、雑貨感覚のボトルやデザイン性の高いものなどスタイリッシュなボトルが増えていることなども、女性からの支持が高い理由だろう。
専用ボトルに注目が集まる中、最近では食べるスープの専門店「Soup Stock Tokyo(スープストックトーキョー)」もオリジナルの「スープ専用まほうびん」の販売を開始した。発売直後から人気となり、一時販売中止となった後、現在は数量限定で再販売中だ。同店に持参すれば20円引きの特典も受けられるのもうれしいポイント。また、11月24日からは「スープ専用まほうびん」やお弁当箱を持ち運ぶのに便利な「まほうびん用 ランチバッグ」も販売されている。
野菜も摂れて体も温まるスープでいつでもお腹を満たしたいという微妙な女性の心をとらえヒット中の「スープ専用ボトル」。サーモマグ同様、オフィス×スープがこれからの当たり前になるのかもしれない。
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