映画「マルティニークからの祈り」 パン・ウンジン監督に聞く/犯罪に巻き込まれ異国で収監 不屈の765日描く

マルティニークからの祈り

パン・ウンジン監督

韓国の平凡な主婦が、フランスの空港で突然逮捕された。容疑はコカイン密輸。祖国から遠く離れた刑務所で、帰国に向けた戦いが始まる──。韓国映画「マルティニークからの祈り」が2014年8月29日公開される。実話をもとにしたリアリティーあふれる物語だ。パン・ウンジン監督は「なぜ事件は起きたのか。悪事を暴くのではなく、残念な現実を知ってもらいたかった」と語る。

韓国外務省の不誠実な態度にも怒りを感じた

2004年秋、ソウル。主婦のジョンヨン(チョン・ドヨン)は夫(コ・ス)と娘とつつましくも幸せに暮らしていたが、夫が友人の借金の保証人になって生活は一変。仕事も家も失い、債権者に負われることになる。そこへ夫が「パリへ荷物を運ぶだけで大金が稼げる」仕事を持ってきた。

不安にかられつつ引き受けたジョンヨンだが、フランスへ入国時に突然逮捕される。「黄金」と聞いていた荷物の中身は大量のコカインだった。パリでの拘留を経てカリブ海の島、仏領マルティニークの刑務所に収監されたジョンヨン。パリの韓国大使館に何度も支援を訴えるが取り合ってもらえず、帰国まで765日、2年以上にわたる戦いに挑むことになる──。

韓国で実際に起きた事件の映画化。パン監督は詳細を調べるうち、心の中に「なぜ起きてしまったのか」と疑問が膨らんでいったという。

「平凡な主婦になぜあんなことが起きたのか。どうして対応が遅れたのか。韓国外務省の不誠実な態度にも怒りを感じ、映画化したいと思った」

言葉の通じない異国で、ジョンヨンは何度も大使館に助けを求めるが、相手にしてもらえない。裁判も受けられず時間だけが過ぎていく。一方、韓国では妻を救うため夫が奔走していた。ある日、窮状を訴えるインターネットの書き込みをテレビ局関係者が見て取材を始める。曲折を経て夫はやっとジョンヨンのもとを訪れる。

「領事や大使を戯画化し、悪人にしたような面もあるが、韓国では『官僚はああいうものだよね』という反応が多かった。あくまで実話をもとに描いた。後に在仏外交官から『麻薬犯罪を美化するような映画を撮りましたね』とは言われたが、目的は外務省の悪事を暴くことではなく、残念な現実を知ってもらうこと。異国で犯罪に巻き込まれた場合、在外公館は国民を守るべきだと思う」

パン・ウンジン監督

(C)2013 CJ E&M Corporation, All Rights Reserved.

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