歌舞伎、宝塚歌劇など、日本には伝統的に、男性/女性だけで演じられる舞台があります。男性が女性を、女性が男性を演じることによる美しくも妖しい世界観が多くの人々を魅了してきたのでしょう。
今年で劇団創立29年目を迎えるスタジオライフは男優だけの人気劇団です。その最新作『少年十字軍』が東京・名古屋で上演されます。
女性役はいたって自然
1985年に結成された当初は女優も在籍していました。しかし結成から3年後、本番直前に女優が降板してしまったため急遽男優が女性役を演じることになり、これが好評を博したため現在のようになったのです。
歌舞伎には女形、宝塚歌劇には男役という独特の形が存在しますが、スタジオライフの女役には形といえるようなものがありません。衣装や髪形や立ち居振る舞いこそ女性的にしますが、声はそのままで、ことさら女性役であることを意識させるような演技はしません。いたって自然で違和感なく男性も楽しめるはずなのですが、宝塚歌劇よりも男性客が少ないのは残念です。もっと男性にも観て欲しい劇団です。
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