ひょんが来てくれないかなぁ。サンタよりも来てほしいのは、ひょん。煮詰まってしまったとき、ふらと酒をのむとアイディアが浮かぶ。それがひょんだ。ひょんなことでふっと解決の糸口を見つけられないか。これを頼っていると、そのうち酒にのまれてしまうようになる。だから、酒飲みはダメなんだと人は口を揃えて言う。でも、酒を愛したフランク・シナトラはこんな言葉を残している。「アルコールは人間にとって最悪の敵かもしれない。しかし聖書には敵を愛せよと書いてある」
酒にまつわる言葉はどの時代も多い。なんとか口実を作っては酒を飲もうとしてしまう。そして、ひょんが来るのを待つ。けれども、なかなか酒がひょんを連れてきてくれることはなくて、ともすれば酒でひょんを待っていたのに、新たな問題を巻き起こすことが多い。
半年も前から取りかかってきたのに...
さて、ひょんが自分に現れたとしても、なかなか物事が進まないことも多い。なんといっても仕事はチームで作り上げるものだから、自分一人がイライラカリカリしていてもダメだ。そんな時はもう突破口を誰かが作るしかない。のらりくらりと物事が決まらないときに、鶴の一声が出ると、ようやく堰を切ったように仕事が動き出す。
時間を売るテレビやラジオでも、その「時間」がなかなか決まらないことがある。制作現場はもう準備をしているのに、放送日はいつになるのかがわからない。特別番組などはとくに決まらない。たとえば、年末の特番の場合だと、企画が通ってから実際に制作が動き出し、会議が始まるのは8月頃。早い番組だとこれよりも1、2か月前から始まるものもある。けれど、放送日はいつになるのか誰もわからない。年末かそれともそれと年始になるのかわからずに番組を作っていく。
では、いつ頃どう決まるのか。それはレギュラー番組の視聴率にかかっている。夏ごろに始めた特番の会議、放送を左右するのは秋から始まるドラマやレギュラー番組がどのぐらい数字を稼いでくれているかだ。もしドラマが当たらなかった場合は、最終回を予定していた日に特番を入れ込むこともある。ドラマの中には最終回が90分拡大にもならず、実質は1週少なく終わることも多々あるのだ。それが決定されるのがドラマ最終回の1か月ほど前である。
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